ウィンズ オブ サンダー

ウィンズ オブ サンダーについて

『ウィンズ オブ サンダー』（Winds of Thunder）は、1993年4月23日に日本のハドソンからリリースされたPCエンジンSUPER CD-ROM2(PCESCD)用の横スクロールシューティングゲームです。国外では『Lords of Thunder』というタイトルで知られています。

ゲームの背景

本作はハドソンの前作『ゲート オブ サンダー』（1992年）を手掛けたスタッフによって開発されました。前作はSFの要素を主要に据えていましたが、今作はファンタジーの世界観に大きく変更されています。物語的な連続性はなく、プレイヤーは剣士の「ランディー」を操作し、悪の勢力「ガルド帝国軍」を打倒し、「暗黒神」の復活を阻止することが目的です。

開発スタッフ

開発はレッド・カンパニーとシーエイプロダクションが行い、プロデューサーには青山英治が、ディレクターには松永智史が起用されています。さらに、音楽は宮下智が担当し、ゲームの雰囲気をより引き立てています。

移植版の展開

1995年には北米と欧州でメガCD版がリリースされましたが、日本には未発売でした。しかし、その後もPCエンジンのオリジナル版は様々な形で再登場しています。2008年にはWii用のバーチャルコンソール、2010年にはPlayStation 3とPlayStation PortableのPCエンジンアーカイブス、2015年にはWii U用バーチャルコンソールで配信されています。現状ではこのアーカイブスだけが新規に入手可能です。

ゲームプレイ

ゲームの各ステージ開始時に選べる4種類の鎧は、それぞれ異なる能力を持っています。これにより、使用する鎧に応じてサブショットや特性が変化します。また、敵を倒すことで得られる「クリスタル」を使って、ショップでアイテムを購入するシステムも実装されています。ゲームのハードウェア的制約の中で多重スクロールを実現していることや、ヘヴィメタル音楽を基にした生演奏のサウンドが特に評価されています。

海外版との違い

SEGA CD/Mega-CD版は主に海外仕様で、文字や音声がオリジナル版と異なります。映像自体のクオリティは概ね同じで、BGMはギターサウンドが強調されたアレンジが施されています。また、2020年に発売されたPCエンジン miniには、本作の北米版が収録されています。

評価

ゲームの評価は各ゲーム誌で公開されており、『ファミコン通信』のクロスレビューでは総合26点を獲得し、『月刊PCエンジン』では88点の高評価を得ました。特にスクロールスピードの速さや多重スクロールの技術、音楽の質の高さが評価され、いくつかの批評ではファンタジー設定に対する違和感が指摘されました。

最後に

『ウィンズ オブ サンダー』は、ヴィジュアル、ゲームプレイ、音楽のすべてでプレイヤーを楽しませてくれるシューティングゲームです。その特徴的なファンタジー要素とプロフェッショナルな制作陣により、多くのゲームファンに愛され続けています。

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