ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団

ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団

ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団（Wiener Johann Strauss Orchester）は、オーストリアのウィーンを拠点とするオーケストラです。この楽団は、シュトラウス・ファミリー、特にヨハン・シュトラウス2世の音楽を演奏することを主な目的としています。略称はWJSO。

19世紀後半にヨハン・シュトラウス2世自身が率いていたシュトラウス管弦楽団の伝統を受け継ぐことを自負しており、その音楽的遺産を現代に伝える重要な役割を担っています。

概要

1966年、オーストリア放送協会（ORF）とヴァイオリニストのオスカー・ゴーガーの主導によって設立されました。楽団員は、ウィーン放送交響楽団をはじめとするウィーンの主要オーケストラから選抜されています。常設のオーケストラではなく、年間15回程度のコンサート、録音、演奏旅行の際に集まるという形態をとっています。

楽団の設立は、かつてエドゥアルト・シュトラウス1世が解散させたシュトラウス管弦楽団を再建するという目的を持っていました。その象徴として、エドゥアルト・シュトラウス1世の孫であるエドゥアルト・シュトラウス2世が創立者として迎えられました。エドゥアルト・シュトラウス2世の急逝後、長年ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの指揮者を務めていたヴィリー・ボスコフスキーが後任の指揮者となりました。ウィンナ・ワルツの演奏においては、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と並んで高い評価を受けています。

ヴィリー・ボスコフスキーが指揮していた時代には、EMI（エレクトローラ）に積極的に録音を行いました。日本では、ボスコフスキーがウィーン・フィルを指揮したニューイヤーコンサートのアルバムと同時期に発売され、人気を博しました。約40名という小編成は、ウィーン・フィルなどが同じ分野を演奏する際の半数強ですが、シュトラウスが生きていた時代のオリジナル編成に近いとされています。

なお、アンドレ・リュウが1987年にオランダで設立したヨハン・シュトラウス・オーケストラや、ウィーン・シュトラウス・カペレは、このウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団とは別の団体です。

指揮者

エドゥアルト・シュトラウス2世（創立者、初代指揮者）
ヴィリー・ボスコフスキー
クルト・ヴェス
ヴァルター・ゴルトシュミット
フランツ・バウアー＝トイスル
マルティン・ジークハルト
オーラ・ルードナー
アルフレート・エシュヴェ
ヨハネス・ヴィルトナー

参考文献

ピーター・ケンプ著、木村英二訳『シュトラウス・ファミリー：ある音楽王朝の肖像』音楽之友社、1987年10月。ISBN 4276-224241。

関連項目

ヨハン・シュトラウス・オーケストラ
ウィーン・シュトラウス・カペレ

外部リンク

* 公式サイト（ドイツ語）

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