ウィーン中央駅

ウィーン中央駅

ウィーン中央駅（Wien Hauptbahnhof）は、オーストリア・ウィーン10区に位置する主要な鉄道駅です。オーストリア連邦鉄道（オーストリア国鉄）が運営し、オーストリアの鉄道網における重要な拠点となっています。

概要

ウィーン中央駅は、かつて存在したウィーン南駅を再編する形で建設されました。旧南駅は頭端式ホームを持つ駅でしたが、中央駅は通過式ホームを持つターミナル駅として生まれ変わりました。これにより、オーストリア南部鉄道、東部鉄道、西部鉄道といった主要路線が相互に接続され、利便性が大幅に向上しました。

中央駅設置の構想は19世紀末から存在しましたが、資金難により長らく実現しませんでした。2006年12月に土地利用計画が決定し、2007年6月には近隣のSバーンジュートティローラープラッツ駅の改築を含む準備工事が開始されました。2009年12月には旧南駅の一部が閉鎖され、駅本体の工事が本格的に始まりました。それまで南駅を発着していた南方面の長距離列車は、ウィーン・マイドリング駅発着に変更されました。

2012年末には駅施設の一部が先行開業し、2014年12月に全面開業を迎えました。ウィーンの代表駅としての役割を担うことが期待されていますが、南部に延伸される地下鉄U2線が中央駅に直接乗り入れる計画がないため、市内中心部へのアクセスに課題を残すという指摘もあります。

中央駅の西側を通る地下鉄U1線の駅は、Südtiroler Platz駅からHauptbahnhof駅に改称されました。また、市電D番はこれまでウィーン南駅の東側で折り返していましたが、1区間延長され、中央駅高架下のHauptbahnhof ost停留場まで乗り入れています。

再開発

旧南駅の再編により、広大な土地が生まれました。この土地は再開発用地となり、オフィスや住宅を中心とした新しい街区が建設されることになりました。ジュートティローラー広場に面する正面入口周辺には、高さ60mの高層ビルが10棟、100mの超高層ビルが1棟建設される予定です。さらに、再開発エリアの中心部には公園も造成されます。これらの建物は、近隣のベルヴェデーレ宮殿の景観に配慮した設計となっています。

再開発には約20億ユーロの費用が投じられ、オーストリア国鉄が約6億ユーロ、ウィーン市が約1億5,000万ユーロを出資し、残りは個人投資家が負担します。

駅構造

ウィーン中央駅は、地下に相対式ホーム1面2線、地上に島式ホーム5面10線を有しています。これにより、国内外からの多様な列車に対応できる、大規模なターミナル駅としての機能を実現しています。

参考文献

Wien Museum: Großer Bahnhof: Wien und die weite Welt. Czernin Verlag, Wien 2006. ISBN 3-7076-0212-5

外部リンク

公式ウェブサイト (ドイツ語)
Hauptbahnhof Wien archived English-language official website of the project
Building proposals (ドイツ語)

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