ウェイン・イーグリング

ウェイン・イーグリングについて

ウェイン・イーグリング（Wayne Eagling）は、1950年11月27日にカナダのモントリオールで誕生した著名なバレエダンサーであり振付家である。彼のキャリアは、ロイヤル・バレエ団での20年以上の活動に彩られ、引退後も振付や芸術監督として多くの貢献をしてきた。

幼少期とダンスの始まり

イーグリングは、ケベック州モントリオールにて英語を母国語とする両親、エドワードとテルマの間に生まれた。幼少期には米国カリフォルニア州に移り、そこでダンスの世界に足を踏み入れる。パトリシア・ラムジー・スタジオ・オブ・ダンス・アーツに通ううちに、彼のクラシック・バレエの才能が開花。教師からはプロのダンサーになることを勧められた。1965年、15歳のとき、ロイヤル・バレエ団のダンサーであるマイケル・サムズとゲルト・ラーセンによってその才能を見出され、ロイヤル・バレエ学校に招待される。

1960年代後半、ロンドンが「スウィンギング・ロンドン」として知られる活気あふれる時代を迎える中、イーグリングはクラシック・バレエの道を貫き、1969年にロイヤル・バレエ団に入団する。

ロイヤル・バレエ団でのキャリア

ロイヤル・バレエ団に入団後、イーグリングの才能はすぐに証明される。彼はしなやかさと力強さを兼ね備え、1972年にはソリスト、1975年にはプリンシパルに昇進。さまざまなメソッドを取り入れた独自のトレーニングにより、幅広い役柄を演じることができる多才なダンサーとなった。彼はマーゴ・フォンテイン、ジェニファー・ペニー、メール・パークなど著名なダンサーたちと共演し、19世紀の古典作品や20世紀の作品での活躍が際立っていた。

特に、英国の名振付家ケネス・マクミランの作品においても多くの初演を果たし、『いとしい人のいとしい人』や『グロリア』などの作品での存在感は光っていた。また、フレデリック・アシュトンやバランシンの作品でもその腕前を発揮し、高い評価を受けた。

イーグリングは1984年、自らの振付作品『フランケンシュタイン、現代のプロメテウス』を発表し、振付家としてのキャリアの第一歩を踏み出した。

振付家としての活動

1991年にダンサーを引退すると、彼はオランダ国立バレエの芸術監督に就任。そこで首席振付家として数多くの新作を発表し、1996年にはトゥール・ファン・シャイックと共同で『くるみ割り人形とねずみの王様』の改訂版を手掛けた。この作品はオランダの文化を反映したものであり、多くの観客から愛された。彼は在職中、古典的なレパートリーを維持しながら、アシュリー・ペイジやデヴィッド・ドーソンといった現代振付家の新作も積極的に委嘱していた。

その後、2003年にオランダを離れて国際的な活動に移行し、著名なバレリーナ、カルラ・フラッチの公演に関与するなど、さまざまなプロジェクトに取り組んだ。

2005年にはイングリッシュ・ナショナル・バレエ団の芸術監督に任命され、ここでも新作の制作に注力した。彼が制作した『Men Y Men』は機知に富んだ作品として評価され、再改訂版『くるみ割り人形』も話題となった。しかし、2012年にはバレエ団の予算削減を巡るトラブルにより辞任を余儀なくされる。

初演作品と振付作品

イーグリングは数多くの作品で初演者として名を馳せており、特にマクミランの振付作品による役柄は印象的である。その中には『Tryad』や『Gloria』などがある。また、彼自身の振付作品も多彩であり、『フランケンシュタイン、現代のプロメテウス』や『美女と野獣』など、多くのバレエ団で上演されている。

今後もイーグリングの活躍が期待されており、ダンス界への影響力を持つ存在であることは間違いない。

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