ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ

ラグナ・セカ（WeatherTech Raceway Laguna Seca）

ラグナ・セカはアメリカ合衆国カリフォルニア州モントレーに位置する著名なサーキットで、「乾いた湖」という意味を持つ名前が示すように、かつて湖であった場所にコースが造られました。このサーキットは1957年に開業し、1987年に現在のレイアウトに改修されました。その結果、高低差が300フィート（91メートル）という特長を持ち、テクニカルなコーナーが多く見られる低速サーキットとなりました。

ラグナ・セカは、MotoGPやA1グランプリ、アメリカン・ル・マン・シリーズなどの国際的なレースイベントを開催する場として知られています。2001年から2018年までマツダが命名権を持っており、当時は「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」としても知られていました。2018年より、ウェザーテックという自動車用品メーカーが命名権を取得し、現在の名称が広く用いられています。

コークスクリュー

ラグナ・セカの中でも特に有名なエリアは「コークスクリュー」と呼ばれるコーナーです。ターン5から段々と高く上がっていき、ターン8で急激に下りながら右へのカーブや左へのカーブを連続して切り返す挑戦的なセクションです。この急降下の道は、まさにジェットコースターのような体験を提供しています。下り勾配は特に酷く、ターン8のエイペックスでは12%、ターン8aでは18%に達します。これによりライダーは非常に難易度の高い状況に直面します。

この場所では過去に数々の劇的なオーバーテイクが生まれました。1996年のインディカー・シリーズ最終戦では、アレッサンドロ・ザナルディがコークスクリューを利用してトップを走るブライアン・ハータを追い抜くという名場面を披露しました。その後、彼の行ったこの新しいオーバーテイクは「ザ・パス」として今も語り継がれています。2018年以降のレースでは、その際行われたオーバーテイクが禁止となりましたが、その印象は深く残っています。

モトGPの世界でも、数々の競技がコークスクリューを舞台に行われました。バレンティーノ・ロッシとケーシー・ストーナーの激しいバトルや、マルク・マルケスとロッシの対決など、数々の名勝負が生まれました。

コークスクリュー・ヒルクライム

2022年からはコークスクリュー・ヒルクライムという新たなイベントがスタートしました。モントレー・モータースポーツ・リユニオンという催しの一部として行われ、逆走によってコースをたどります。このヒルクライムはタイムトライアル方式で行われ、参加者は様々なスタイルで速さを競います。

安全性と歴史

ラグナ・セカは歴史的に多くのストーリーに満ちています。1988年から1994年まではアメリカGPも開催されていましたが、コース周辺のランオフエリアが狭いため安全面での懸念が高まりました。特に1999年には、ゴンサロ・ロドリゲスがコークスクリューで致命的な事故を起こすなど、危険な部分もあることが知られています。また、サーキット改修費用がヤマハから支援された2005年以降、再び国際的なレースシーンに復帰を果たしました。その後も様々なイベントや改修を経て、現在も人気の高い場所となっています。

まとめ

このようにラグナ・セカは、そのユニークな特徴と数多くの歴史的な出来事から、モータースポーツファンにとって特別な存在となっています。これからもこのサーキットがどのような物語を生んでいくのか、その動向が注目されています。

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