ウェストモアランド教区

ウェストモアランド教区の周辺と歴史

ウェストモアランド教区は、ジャマイカの南側最西端に位置し、広大な自然環境と豊かな歴史背景を持つ地域です。この教区はコーンウォール郡に属し、ハノーバー教区、セント・ジェームズ教区、セント・エリザベス教区と隣接しています。また、中心地のサバナラマルはこの地域の経済と文化の中心的な役割を果たしています。観光名所としては、世界的に有名なネグリルがあり、多くの観光客が訪れます。

歴史的背景

ウェストモアランド教区の歴史は、クリストファー・コロンブスが2度目の航海でジャマイカに到着した際にさかのぼります。彼はこの地域、西部に位置するブルーフィールズに停泊し、ここに最初のスペイン人の村落が築かれました。この教区は島の最も西端に位置していたため、1703年にウェストモアランドと命名されました。1730年にはサバナラマルが行政中心地となり、その後の歴史の中で地域の発展に寄与してきました。

1938年、フローム製糖会社で発生した暴動はジャマイカの歴史を大きく変える契機となりました。この暴動を通じて、1944年に普通選挙権が成立し、これは後の自治と独立へと繋がっていきました。また、アレクサンダー・バスタマンテ卿やノーマン・ワシントン・マンリーといった国民的英雄がこの時期に政治的指導者として登場しました。

地理と自然

ウェストモアランド教区の面積は807平方キロメートルで、ジャマイカの中で8番目に広い教区です。人口は約14万4千人で、特にインド系住民の割合が高いのが特徴です。インド系住民は、奴隷制度が終わった後にインドから働きにきた年季労働者の子孫であり、地域内では「ロイヤルズ（王族）」と呼ばれています。

この地域には、グレート・モラスという1万エーカー以上の広大な沼地が存在し、ここには多様な動植物が生息しています。沼地は泥炭の採掘にも利用されており、ジャマイカの野生生物の生息地としての役割も果たしています。教区の他の地域は、丘陵や沖積平野で構成されており、多くの川が流れています。

産業の発展

ウェストモアランド教区は、肥沃な土地で知られ、主に農業と観光産業が盛んです。特にサトウキビの栽培が盛んで、そのほかにもバナナ、コーヒー、ショウガ、ココア、オールスパイス、はちみつ、コメ、パンノキなど多彩な農産物が生産されています。また、牛や馬、ラバの飼育も行われており、漁業も重要な産業です。教区内には19の漁港があり、90隻以上の漁船が漁業に従事しています。

観光業は1950年代以降、特に急成長しています。ネグリルには高級リゾートや観光施設が多数展開されており、訪れる人々に様々な体験を提供しています。

まとめ

ウェストモアランド教区は、その豊かな歴史と文化、自然環境が魅力的な地域です。観光や農業、漁業の発展に寄与し続けるこの地域は、ジャマイカの多様性と魅力を象徴する場所であり、訪れる価値のあるスポットです。

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