ウェンブリー・スタジアム (1923)

ウェンブリー・スタジアムの歴史

ウェンブリー・スタジアムは、イギリス・ロンドンのウェンブリー地区に位置する著名なサッカースタジアムであり、1923年に開場しました。当初は「ブリティッシュ・エンパイア・エキシビション・スタジアム」として知られ、大英帝国博覧会の中心施設となりました。その後、同年には第一回のFAカップ決勝も行われ、サッカー界における重要なスポットとしての地位を確立しました。

1934年にはエンパイア・プールが完成し、様々なイベントが開催されるようになりました。その中でも、1948年のロンドンオリンピックではメインスタジアムとして採用され、陸上競技をはじめとする様々なスポーツが行われました。このオリンピックでは、フランシナ・ブランカース＝クンやエミール・ザトペックといった名選手のパフォーマンスが特に注目を集めました。

さらに、1966年のFIFAワールドカップ決勝は、ウェンブリーでのスポーツ史において最も記憶に残る出来事の一つです。この試合では、イングランドが西ドイツを延長戦で破り、国にとって初のワールドカップ優勝を遂げ、エリザベス2世女王からジュール・リメ杯が授与されました。

1995年には、いわゆる「アンブロ・カップ」で日本がイングランド代表と対戦し、この対戦も多くの話題を呼びました。また、1996年にはEURO96が開催され、ドイツが再統一後に初めての優勝を果たしました。老朽化が進んだスタジアムは2000年のFAカップ決勝を最後に閉場し、新しいスタジアムの建築が始まりました。2007年には現在のウェンブリー・スタジアムがオープンし、新たな歴史がスタートしました。

コンサートとイベントの舞台

ウェンブリー・スタジアムはスポーツだけでなく、音楽イベントの場としても多く利用されてきました。1972年にはロンドン・ロックンロール・ショーが開催され、その後も名だたるアーティストたちがステージに立ちました。特に1985年のライヴ・エイドでは、デヴィッド・ボウイやクイーン、ポール・マッカートニーなど多くの著名アーティストが集まり、歴史に残るイベントとなりました。

また、1988年にはネルソン・マンデラ生誕70歳トリビュートコンサートが行われ、ヒューマン・ライツ・ナウ!といったチャリティーコンサートも開催されました。さらに、マイケル・ジャクソンやマドンナ、ジェネシスなどもこの地でライブを行い、多くの観衆を魅了しました。

特別なイベントの記録

ウェンブリーでは、スポーツと音楽以外にも興味深い出来事が数多くありました。1971年から1991年の間には、女性のフィールドホッケー大会が定期的に開催され、1988年には米国のスタントマン、エベル・ニーベルが挑戦したバイクでのバス飛び越えイベントが行われ、多くの観客を集めました。しかし、彼は成功せず重傷を負いましたが、その後再挑戦し成功を収めています。

また、1992年にはWWEのサマースラム92が開催され、格闘技の大型イベントの中では最多となる80,355人を動員しました。これにより、ウェンブリー・スタジアムはスポーツや音楽だけでなく、エンターテインメント全般においても重要な舞台としての地位を確立しました。

このように、ウェンブリー・スタジアムはその歴史を通じて、サッカーを始めとする様々なスポーツイベントや音楽ライブ、特別なイベントの舞台として、多くの人々に影響を与えてきました。

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