ウェンブリー・セントラル駅

ウェンブリー・セントラル駅：ロンドン北西部の交通ハブ

ウェンブリー・セントラル駅は、イギリス・ロンドン北西部のブレント区ウェンブリーに位置する重要な鉄道駅です。ウェスト・コースト本線とワットフォード直流線（地下鉄ベイカールー線を含む）が交差する交通の要衝であり、ロンドン中心部へのアクセスも容易です。

多様な路線網

この駅では、複数の鉄道事業者が運行する多様な路線が利用可能です。ロンドン地下鉄ベイカールー線、ロンドン・オーバーグラウンド、ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ（ウェスト・ミッドランズ・トレインズ）、サザン（ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ）の列車が乗り入れており、広範囲へのアクセスを提供しています。駅には6本のプラットフォームがあり、西側の1・2番線がワットフォード直流線、残りの3～6番線がウェスト・コースト本線に対応しています。ただし、3・4番線は急行線ホームのため、通常はほとんど使用されません。

ウェンブリー・スタジアムで大型イベント開催時には、通常は通過する列車も臨時停車し、乗客輸送能力を大幅に強化します。ただし、アヴァンティ・ウェスト・コーストの列車はホームの長さの関係から臨時停車せず、代わりに近隣の駅に停車して乗換えを促す対応がとられています。イベント開催時は鉄道警察も配置され、安全確保に万全を期しています。

歴史と変遷

ウェンブリー・セントラル駅の起源は1837年まで遡ります。ロンドン・アンド・バーミンガム鉄道の開通に伴い、当初はサドベリー駅として開業しました。その後、数度の改称を経て、1948年に現在の駅名となりました。1917年にはベイカールー線が乗り入れを開始し、交通の利便性が向上しました。駅舎は1936年に改築され、1960年代には駅前広場が整備されて現在の駅周辺のレイアウトがほぼ完成しました。近年では、2007年にロンドン地下鉄への管理移管、2008年には再開発のための旧駅舎解体などが行われています。

駅の構造と設備

駅は、ハイ・ロードの高架部分に位置し、プラットフォームは地下に位置しているため、あたかも地下鉄駅のような印象を与えます。実際は地上と同じかそれ以上の高さにあり、1960年代のウェスト・コースト本線電化工事の際に現在の姿に改築されました。この区間は三複線構造となっており、ユーストン駅から最初の全線路にホームを持つ駅となっています。

安全対策として、ウェスト・コースト本線のプラットフォームは列車接近時にのみ扉が開く仕組みとなっており、強風対策も施されています。2006年には安全設備の近代化が行われ、2011～2012年にはオリンピック開催に向けたバリアフリー化工事も実施されました。エレベーターや車椅子用昇降機が設置され、段差のない移動経路が確保されました。

周辺開発

2008年以降、ウェンブリー・セントラル・スクエア計画として駅周辺の再開発が進められています。集合住宅、商店、オープンスペースなどが整備され、駅周辺の環境は大きく変化しています。

アクセス

駅周辺には、複数のロンドンバス路線が運行しており、周辺地域とのアクセスも良好です。

隣の駅

ロンドン地下鉄ベイカールー線：ストーンブリッジ・パーク駅、ノース・ウェンブリー駅
ロンドン・オーバーグラウンド：ストーンブリッジ・パーク駅、ノース・ウェンブリー駅
ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ：ユーストン駅、ハーロウ＆ウィールドストーン駅
サザン：シェパーズ・ブッシュ駅、ハーロウ＆ウィールドストーン駅

ウェンブリー・セントラル駅は、歴史と近代化が融合した、ロンドン北西部の重要な交通拠点として、今後も発展を続けると期待されています。

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