ウェーバ

ウェーバ（weber, Wb）とは

ウェーバは、磁束を示すための単位で、国際単位系（SI）の組立単位の一つです。この単位の名称は、ドイツの物理学者ヴィルヘルム・ヴェーバーに由来しています。ウェーバは、磁束の変化とそれに伴う電界、すなわちファラデーの電磁誘導の法則に深く関連しています。

基本単位と表記

ウェーバは次のようにSI基本単位で表現されます：

• - Wb = kg m² s⁻² A⁻¹

別の組立単位としては、ボルト秒（V s）やテスラ平方メートル（T m²）としても表されることがあります。これらの表現は、磁束が持つ電気的性質を示す際に便利です。

ファラデーの法則

ウェーバは、ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて定義されます。具体的には、1秒間に1ウェーバの磁束が変化する場合、1ボルトの起電力が生じることを意味します。日本の計量単位令においては、これについて「一秒間に消滅する割合で減少する場合に、これと鎖交する一回巻きの閉回路に一ボルトの起電力を生じさせる磁束」と明記されています。この定義からも、ウェーバが電磁誘導の現象を示す重要な単位であることがわかります。

磁荷との関係

現在の電磁気学の流れではウェーバが主に用いられていますが、歴史的にはE-H対応に基づく理論も存在しました。この場合、磁荷を基本単位とし、1 Wbを磁荷の大きさを表す単位とする考え方がありました。このような観点からも、ウェーバは磁気の理解において重要な役割を果たしています。

相対的な磁束のスケール

ウェーバと関連するもう一つの単位、マクスウェルとの関係についても触れておきます。1 Wbは約10⁸マクスウェルに相当します。これは非常に小さな相対誤差（約10⁻¹⁰）であるため、ウェーバとマクスウェルの間には半ば直接的な換算が可能です。

Unicodeにおけるウェーバ

Unicodeにはウェーバを表すための対応文字が収録されています。この文字はCJK（中国語、日本語、韓国語）互換用のもので、従来の文字コードとの互換性を保つために存在しますが、実際の使用においては推奨されていません。このように、ウェーバは物理学のみならず、技術的な文脈においても重要な単位であり続けています。

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