ウォルト・ディズニー・スタジオ・パークのアトラクション

ウォルト・ディズニー・スタジオ・パークは、映画製作の華やかな世界にゲストを誘うユニークなテーマパークです。このパークには、映画やアニメーションの世界観を様々な形で体験できる魅力的なアトラクションが数多く設けられています。本記事では、現在運営されている主要なアトラクションと、過去にパークの歴史を彩ったアトラクションについて紹介します。

なお、アトラクションの「開設日」は、運営側が公式に発表したグランドオープン日を基準としています。グランドオープンに先立ち、関係者や一部のゲストを対象とした慣熟訓練や最終確認のためのプレビュー運営が行われる場合もありますが、これは正式な開設日とは区別されます。また、ディズニーパーク特有の用語として、施設で働く従業員を「キャスト」、パークを訪れるお客様を「ゲスト」、そして乗り物部分を「ライド」と表記します。

各テーマエリアのアトラクション

パークは複数のテーマエリアに分かれており、それぞれのコンセプトに基づいたアトラクションが配置されています。

フロント・ロット

パークの入り口に広がるフロント・ロットは、著名な映画スタジオのクラシカルなエントランスを再現したエリアです。ここはパーク全体の顔となる場所であり、ディズニーランド型のパークにおけるメインストリートUSAやワールドバザールのような役割を担っています。

このエリアの中心にあるのが、ディズニー・スタジオ１です。ここはウォルト・ディズニーがかつて所有していたカリフォルニア州バーバンクのスタジオを模して作られた、映画撮影スタジオをイメージした屋内施設です。単なるアトラクションというよりは、スタジオのセットを模した空間を自由に散策でき、中にはレストランやショップが配されています。

プロダクション・コートヤード

映画やテレビ番組の楽しさをテーマにしたエリアがプロダクション・コートヤードです。ここには、インタラクティブな体験ができるスティッチ・ライブや、パークでも屈指のスケールを誇るスタジオ・トラム・ツアー：ビハインド・ザ・マジックなどがあります。特にスタジオ・トラム・ツアーは、トラムに乗って広大な映画セットを巡りながら、火災、洪水、地震といった特殊効果を間近で体験できる人気アトラクションです。膨大な水が眼前に流れ落ちてきたり、強烈な熱風を伴う炎が噴出したりと、その迫力はゲストに強い印象を与えます。また、多くのゲストを恐怖のどん底へ突き落とすトワイライトゾーン・タワー・オブ・テラーもこのエリアに位置しています。

バック・ロット

スタントアクションの興奮や映画の特殊効果に焦点を当てたエリアがバック・ロットです。ここでは、ダイナミックな仕掛けや刺激的な体験を提供するアトラクションが集まっています。迫力満点のカーアクションや特殊効果を間近で見られるライブショー、スタントショー・スペクタキュラーなどが楽しめます。

トゥーン・スタジオ

アニメーションがどのように生まれるのか、その秘密に迫ることができるのがトゥーン・スタジオエリアです。『ファインディング・ニモ』や『アラジン』、『カーズ』、『ファンタジア』など、人気のディズニーアニメーションを題材にしたアトラクションが多くあります。

アート・オブ・ディズニー・アニメーションは、アニメーションの歴史や原理を学ぶことができる体験型アトラクションです。原始的なアニメーションの展示から、製作スタジオの再現、絵コンテなどの貴重な資料展示まで、アニメーションの魅力を様々な角度から紹介しています。ゲスト自身が触って体験できるコーナーもあり、アニメーションの奥深さを体感できます。建物はディズニー映画『ファンタジア』でミッキーマウスがかぶっていた魔法使いの帽子の形をしており、エリア内でひときわ目を引く存在です。このアトラクションは、ウォルト・ディズニー・スタジオ・パークのオリジナルとして誕生しました。

ディズニー/ピクサー映画『カーズ』をモチーフにしたカーズ・レースラリーは、東京ディズニーシーの「アクアトピア」のような自走式のライドで、映画の世界に入り込んだようなドライブ体験ができます。

他にも、ウミガメのクラッシュと一緒に海中を駆け巡るクラッシュ・コースター、アラジンの魔法の絨毯に乗って空を飛ぶ気分を味わえるアラジンのマジック・カーペット、そして映画『レミーのおいしいレストラン』を題材にした4Dライドラタトゥイユ：ジ・アドベンチャーなど、人気アニメーションの世界が広がっています。

トイ・ストーリー・プレイランド

トゥーン・スタジオの一角に、2010年8月17日にオープンしたのが、ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー』の世界を巨大なサイズで再現したトイ・ストーリー・プレイランドです。

ここでは、映画でおなじみのキャラクターたちと一緒に遊んでいるような体験ができます。トイソルジャー・パラシュート・ドロップでは、緑のアーミーメンになった気分で、高所からのパラシュート降下訓練を疑似体験できます。東京ディズニーシーの「ジャンピン・ジェリーフィッシュ」と同じシステムですが、こちらは足元に床がなく、足が宙に浮いた状態で落下するスリルが味わえます。

スリンキードッグのジグザグスピンは、バネの犬スリンキー・ドッグの体に設置された座席に乗り、スリンキーが自分の尻尾を追いかけるように、くるくると回りながら上下に跳ねる可愛らしいライドです。

そして、映画に登場するラジコンカー「RC」に乗るRCレーサーは、垂直に切り立ったハーフパイプを往復する、スリル満点のコースター型アトラクションです。垂直上昇と垂直落下を繰り返す浮遊感は、ゲストを興奮させます。

アベンジャーズ・キャンパス

近年、マーベル・シネマティック・ユニバースの世界がパークにも登場しました。アベンジャーズ・キャンパスエリアでは、スーパーヒーローの一員になったかのような体験ができます。ウェブシューターを駆使して悪党と戦うスパイダーマン・ウェブ・アドベンチャーや、アイアンマンと共に空を駆け巡るアベンジャーズ・アッセンブル：フライト・フォースなどがあり、ゲストはヒーローたちと共にミッションに挑みます。

終了したアトラクション

ウォルト・ディズニー・スタジオ・パークの歴史の中で、惜しまれつつ運営を終了したアトラクションもいくつかあります。例えば、特殊効果を体験できたシネマジックや、ミッキーマウスとドナルドダックがディズニー映画の世界を巡るファンタジックなショーアニマジックがありました。アニマジックは特にパークのオリジナルショーとして人気を博し、巨大な扉を開けて異次元に飛ばされたドナルドが、『ダンボ』『リトル・マーメイド』『ライオン・キング』など、様々な作品のキャラクターたちと出会う感動的な物語が展開されました。他にも、高速で駆け抜けるジェットコースターロックンローラー・コースターや、映画『アルマゲドン』の特殊効果をゲストが参加しながら体験するアルマゲドン・スペシャル・エフェクツなどが、かつてパークの魅力を高めていました。

ウォルト・ディズニー・スタジオ・パークのアトラクションは、常に進化し続けており、訪れるたびに新しい発見と感動を提供してくれます。映画製作の舞台裏から、人気キャラクターとの出会い、そしてスリル満点の体験まで、多様なアトラクションがゲストを待っています。

もう一度検索