ワールドバザール

ワールドバザール：東京ディズニーランドの華麗なる街並み

東京ディズニーランドのシンボル的存在であるワールドバザールは、19世紀末から20世紀初頭のアメリカを再現した、魅力あふれるエリアです。他のディズニーランド型パークにある「メインストリートUSA」と同様のデザインコンセプトに基づいていますが、決定的な違いがあります。それは、ワールドバザールが全面ガラス張りの屋根で覆われている点です。

この屋根は、日本の気候を考慮した設計であり、雨天時でも快適にショッピングや散策を楽しめるよう配慮されています。これにより、アメリカ西海岸やフロリダのような年間を通して好天に恵まれた地域とは異なる、日本の天候に合わせたパークデザインが実現しました。

メインストリートUSAが青空の下、陽気な歌と踊りが繰り広げられる開放的な雰囲気を持つのに対し、ワールドバザールは、両側にショップが並ぶ活気ある商店街といった印象です。ジャーナリストの野口恒氏は、この違いは、単に屋根の有無だけでなく、日米の国民性の違いが反映されているのではないかと指摘しています。

多彩な魅力が詰まった空間

ワールドバザールには、様々なショップ、レストラン、そしてアトラクションが密集しています。ペニーアーケードやオムニバスなどのアトラクションの他、グランドエンポーリアムやカメラセンターといったショッピングスポット、そしてビビディ・バビディ・ブティックなどのユニークなショップが並びます。

食事処も豊富で、センターストリート・コーヒーハウスやイーストサイド・カフェといったカジュアルなカフェから、れすとらん北齋のような和食レストラン、そして会員制レストランのクラブ33まで、多様な選択肢が用意されています。

さらに、メインストリートハウスやゲストリレーションといったサービス施設に加え、三井住友銀行東京ディズニーランド出張所も存在します。銀行員は、ワールドバザールの時代設定に合わせたコスチュームとネームタグを着用し、業務を行っています。

歴史と工夫が凝縮された建築

ワールドバザールの建物は、遠近法を巧みに利用し、奥行きと高さを強調した設計となっています。建物は上に行くほど小さくなるように造られており、映画の技法が応用されています。各建物には年代と番地が記されており、細部までこだわった作り込みが伺えます。

また、窓ガラスにはウォルト・ディズニーやロイ・O・ディズニーを始め、オリエンタルランドの創業者である高橋政知や加賀見俊夫など、ディズニーランドに関わった人々の名前が「ディズニー・レジェンド」として刻まれています。これは、アナハイムのディズニーランドのメインストリートUSAにウォルト・ディズニーが関係者への感謝として名前を刻んだことに倣ったものです。

メインストリートとセンターストリートでは、建築様式も異なっています。メインストリートはアールヌーボー様式、センターストリートはアールデコ様式を採用することで、エリア全体に変化と奥行きを与えています。

開園当初と現在

東京ディズニーランドが開業した当初、ワールドバザールは、大規模小売店舗法（大店法）の規制対象となりました。結果、営業時間を制限したり、火曜日を休業日とする必要がありました。当初は月曜日を休業日とする案もありましたが、振替休日が多いことを考慮し、火曜日が選択されたのです。

現在、ワールドバザールは、多くのゲストに愛される東京ディズニーランドの象徴的な場所として、その魅力を放ち続けています。歴史と工夫が凝縮された建築、そして多様な施設が織りなす空間は、訪れる人々を魅了し続けているのです。

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