ウォーカー・ブラザーズ

ウォーカー・ブラザーズは、1960年代にイギリスでセンセーションを巻き起こしたアメリカ出身のバンドです。兄弟ではない3人組ですが、その音楽性は多くの人々を魅了しました。

結成と初期

バンドの前身は「Judy and the Gents」というグループでした。その後、1964年にロサンゼルスで、元ルーターズのスコット・エンゲル、ジョン・ウォーカー（本名：ジョン・ジョゼフ・マウス）、ドラマーのアル・ティニー・シュナイダーの3人によって「ウォーカー・ブラザーズ・トリオ」が結成されました。

スコットとジョンはデュオとしてマーキュリー・レコードと契約し、R&B歌手ユージーン・チャーチのカバー『Pretty Girls Everywhere』でデビュー。当初、メインボーカルはジョンが担当していました。TVショー『Shindig!』やミュージカル・コメディ映画『踊る太陽』にも出演しましたが、初期の頃はなかなか人気が出ませんでした。

イギリスでの成功

転機は、スタンデルズのドラマー、ゲイリー・リーズにイギリス行きを勧められたことでした。1965年2月、ゲイリーを加えてロンドンに拠点を移すと、名プロデューサー、ジョニー・フランツに見出され、フィリップス・レコードと契約。スコットがメインボーカルを務めた2枚目のシングル『Love Her』が全英20位を記録し、徐々に注目を集め始めました。

1965年9月には、ジェリー・バトラーのカバー『涙でさようなら』が全英1位、全米16位を記録する大ヒットとなり、一躍スターダムにのし上がりました。この頃、ジョンはヤードバーズのジェフ・ベックに、中古のフェンダー・エスクワイヤーを譲ったというエピソードも残っています。

1966年には、『太陽はもう輝かない』が全英1位、全米13位を獲得。この曲は日本でも大ヒットし、1967年2月には初来日公演を行いました。

解散と再結成

春に行ったジミ・ヘンドリックス、キャット・スティーヴンス、エンゲルベルト・フンパーディンクとのイギリスツアーの後、バンドは一旦解散し、それぞれソロ活動を始めました。

しかし、1968年1月には日本で一時的に再結成し、日本武道館などで公演を行いました。

1975年には再び再結集し、GTOレコードからアルバム『ノー・リグレッツ』を発売。翌年にはシングルカットされた『ノー・リグレッツ』が全英7位を記録しました。1978年には最後のスタジオ・アルバムを発売し、活動を停止しました。

メンバー

スコット・ウォーカー（Scott Walker）：リード・ボーカル、ベース、ギター、キーボード
ジョン・ウォーカー（John Walker）：ギター、ボーカル
ゲイリー・ウォーカー（Gary Walker）：ドラムス、ボーカル

主要作品

『ダンス天国〜ウォーカー・ブラザーズ 1st』 – Take It Easy with the Walker Brothers'（1965年）
『イントロデューシング・ザ・ウォーカー・ブラザーズ』 – Introducing The Walker Brothers'（1965年）（アメリカでの1作目）
『ポートレート〜ウォーカー・ブラザーズ 2nd』 – Portrait'（1966年）
『太陽はもう輝かない』 – Take It Easy with the Walker Brothers'（1966年）（アメリカでの2作目）
『イメージズ』 – Images'（1967年）
『ノー・リグレッツ』 – No Regrets'（1975年）
『ラインズ』 – Lines'（1976年）
* 『ナイト・フライツ』 – Nite Flights'（1978年）

ウォーカー・ブラザーズは、そのドラマチックな音楽性と独特なハーモニーで、1960年代の音楽シーンに大きな足跡を残しました。

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