ウォーキートーキー

ウォーキートーキー

ウォーキートーキー（英: walkie-talkie）は、持ち運びが容易で、バッテリーを使って動作するコンパクトなトランシーバーです。この機器は、プッシュ・ツー・トーク方式を採用しており、ユーザーが送信時にボタンを押すことで通信を行います。

歴史

ウォーキートーキーの起源は、第二次世界大戦中にさかのぼります。当時、陸軍に向けて開発され、その後、救助隊やビジネスシーンでも幅広く使用されるようになりました。1940年、モトローラ社の前身であるガルビン社が開発した最初の背負い式送受信機であるSCR-300は、「ウォーキートーキー」との愛称で親しまれ、ダン・ノーベルを含む一流の技術者たちがその開発チームに名を連ねています。これは周波数変調を採用しており、高い品質の通信を実現しました。

また、モトローラ社は戦争中に振幅変調を採用した携帯型のハンディートーキー、SCR-536も製造していました。SCR-300に比べると性能は劣るものの、片手で保持できるデザインは使い勝手を向上させました。これらの機器は真空管を高電圧乾電池で駆動しており、当時の技術としては画期的でした。また、1951年5月22日にはハンディートーキーが商標として登録され、他の無線機製造会社はこの名称を用いることができなくなりました。

現在の状況

20世紀を通じてアナログ方式が主流であったウォーキートーキーですが、近年ではデジタル方式への移行が進んでいます。このデジタル化により、通信の効率が向上し、DTMFキーボードによるトーン信号の送出など新たな機能も追加されています。また、音声に反応して自動で送受信を切り替える「VoIP機能」や、ハンズフリーでの使用を可能にする機能なども実装され、より利便性が高まっています。今日のウォーキートーキーは、警備、警察、軍事、イベント運営、アウトドア活動など、多岐にわたる分野で活用されています。

玩具用ウォーキートーキー

一方で、低出力形式のウォーキートーキーは無免許運用が可能で、玩具としても親しまれています。北米では、27MHz市民バンドの2ch水晶を用いたモデルが一般的で、出力は100mW未満であることが多く、新型では49MHz帯のFM方式が採用されています。これにより、コードレス電話や乳幼児監視装置と周波数帯を分割しています。さらに、最低価格帯の商品は1周波数の水晶式が多く、手軽に入手することが可能です。

その他の情報

興味深いことに、イギリス・ロンドンに位置する「20フェンチャーチ・ストリート」という超高層ビルは、その形状が上部ほど広がっていることから、ウォーキートーキーと形容されています。これは、ウォーキートーキーが持つ独特な形状を連想させるためで、都市の風景に溶け込んでいます。これによりウォーキートーキーは、通信機器としての役割だけでなく、インフラの一部としても認識されるようになっています。

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