ウギア

ウギア：モーリタニアの通貨

ウギア（Ouguiya）は、モーリタニア・イスラム共和国で使用されている通貨単位です。通貨コードはMROで、補助通貨としてクムス（Khoums）が存在し、1ウギアは5クムスに相当します。ウギアは、モーリタニアがフランスから独立した後、独自に導入した通貨であり、その歴史はモーリタニアの経済と密接に結びついています。

歴史的背景

1960年にフランスから独立したモーリタニアは、当初、西アフリカ地域における関税同盟と共通通貨であるCFAフラン（CFA Franc）を軸とした経済協力体制に参加していました。しかし、1970年代に入り、欧州経済共同体（EEC）をモデルとした新たな経済体制への改革が進められる中で、モーリタニアはCFAフラン圏からの離脱を決断します。

1973年4月、モーリタニアはCFAフラン圏から離脱し、独自通貨であるウギアを導入しました。この動きは、モーリタニアが独自の経済政策を追求するための重要な一歩となりました。また、2018年1月には、通貨の価値を調整するために、デノミネーション（通貨単位の切り下げ）が行われました。これにより、旧通貨の10単位が新通貨の1単位に置き換えられました。

硬貨

ウギア導入当初の1973年には、1/5、1、5、10、20ウギアの硬貨が発行されました。このうち、1/5ウギア硬貨は「コウム」とも呼ばれていましたが、1974年以降は発行されていません。現在、実際に流通している硬貨の種類やデザインについては、変動があるため注意が必要です。

紙幣

ウギアの紙幣は、導入当初の1973年に100、200、1000ウギア紙幣が発行されました。しかし、翌1974年にはデザインが変更され、その後も何度かデザイン変更や新紙幣の発行が行われています。1979年には500ウギア紙幣が新たに導入されました。

2004年には、紙幣デザインが再び変更され、通貨偽造防止対策が強化されました。この際には、新たに2000ウギア紙幣の発行も開始されています。さらに、2011年には高額紙幣として5000ウギア紙幣が導入されました。

2018年のデノミネーションに伴い、新たな紙幣が発行され、20、50、100、200、500、1000ウギアの各紙幣が流通しています。これらの新紙幣は、耐久性に優れたポリマー素材で作られているのが特徴です。

まとめ

ウギアは、モーリタニアの経済を支える重要な要素であり、その歴史はモーリタニアの政治的、経済的な動きと密接に結びついています。通貨の変更やデノミネーションは、国の経済状況を反映するものであり、ウギアの歴史を理解することは、モーリタニアの歴史を理解する上で不可欠です。

参考情報

• - モーリタニアの経済
• - 各種通貨レート情報サイト

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