ウクレス

ウクレス：歴史と文化が息づくスペインの古都

ウクレスは、スペイン・カスティーリャ＝ラ・マンチャ州クエンカ県に位置するムニシピオ（基礎自治体）です。その長い歴史の中で、様々な文化の影響を受け、重要な役割を果たしてきました。

語源

ウクレスの語源は明確には分かっていませんが、一説にはケルトの一部族であるオルカデスが起源であるとされています。彼らが故郷の町 Hokulacum にちなんで名付けたものが、時代を経て変化したと言われています。また、アラブ人支配時代には「ウクリス」と呼ばれていました。

歴史

ウクレスにはローマ時代以前から人が定住しており、アラブ人支配時代にはコラ（郡）に属する重要な都市として栄えました。城やモスク、温泉などが建設され、その重要性を示していました。

レコンキスタ（国土回復運動）が進むにつれてキリスト教勢力下に入り、サンティアゴ騎士団の本拠地となってからは、その重要性はさらに増しました。1091年には、カスティーリャ王アルフォンソ6世が贈り物としてウクレスを獲得し、愛妾との間に王子をもうけたという伝承も残っています。

しかし、1108年のウクレスの戦いでは、アルフォンソ6世の息子を含む多くのキリスト教徒の騎士が命を落としました。その後、ウクレスは聖ヨハネ騎士団やサンティアゴ騎士団に授けられ、サンティアゴ騎士団の本部 Caput Ordinis が置かれました。貴族の子弟を教育する場所も設けられ、地域の発展に貢献しました。

1492年にグラナダが陥落し、イスラム教徒がイベリア半島から駆逐されると、国土回復という騎士団の使命は終わりを迎え、ウクレスは長い衰退の時代に入りました。

16世紀には、現在も残るウクレス修道院の建設が始まりました。フェリーペ2世の命令により古い防衛設備が壊され、教会の工事は17世紀初頭まで続けられました。

1809年には、スペイン軍とナポレオン軍がウクレスで激戦を繰り広げました。フランス軍の勝利後、町は略奪され、多くの人々が犠牲となりました。

建築物

ウクレスには、その歴史を物語る多くの建築物が残っています。中でもウクレス修道院は、その壮麗な姿で訪れる人々を魅了します。しかし、近年では近郊に建設予定の風力発電所が、その景観を脅かす存在となっています。

現在

現代のウクレスは、静かで落ち着いた雰囲気の町です。自治体首長はカスティーリャ＝ラ・マンチャ社会党のアンヘル・ガルシーア・ロドリゲス氏が務めています。

ウクレスは、古代から中世、そして近現代に至るまでの歴史が刻まれた、魅力的な町です。その豊かな歴史と文化に触れるために、ぜひ一度訪れてみてください。

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