ウジツェ

ウジツェ：セルビア西部の歴史と文化が息づく街

ウジツェは、セルビア西部のズラティボル郡に位置する都市であり、同郡の郡都でもあります。ジェティニャ川が流れ、美しい自然に囲まれたこの街は、古代から中世、近現代に至るまで、様々な歴史の舞台となってきました。

古代から中世へ

ウジツェ周辺には、古代イリュリア人の集落が形成され、ローマ帝国の支配下ではダルマチア属州の一部となりました。中世に入るとスラヴ人が移住し、セルビアの支配下に入ります。12世紀には、ステファン・ネマニャによってラシュカ地方に併合されました。その後、ステファン・ドラグティン王がハンガリーからマチュヴァ地方を得てスレム王国を形成しますが、彼の死後、ウジツェはセルビア王国に再び併合されます。

オスマン帝国の支配と独立

15世紀にはオスマン帝国の支配下に入り、ベオグラード・パシャルクの一部となります。1807年、第一次セルビア蜂起によって解放されるまで、オスマン帝国の支配が続きました。19世紀末には、工業都市としての開発が進み、セルビア初のニコラ・テスラの原理による水力発電所が建設されました。

ウジツェ共和国

第二次世界大戦中の1941年、ウジツェはパルチザンによって解放され、短命ながらもウジツェ共和国の首都となります。この共和国は、ナチス・ドイツの傀儡政権であるセルビア救国政府の西部を占拠し、軍需工場が稼働していました。しかし、同年9月にはドイツ国防軍によって再び占領され、パルチザンは撤退を余儀なくされました。

ユーゴスラビア時代

第二次世界大戦後、ユーゴスラビア連邦人民共和国が成立すると、ウジツェはティトヴォ・ウジツェと改名されました。社会主義体制下で多くのインフラ整備や投資が行われ、ユーゴスラビア国内でも有数の開発都市となりました。1992年に社会主義体制が放棄されると、元の名称であるウジツェに戻されました。

1990年代の苦難

1990年代には、ユーゴスラビア紛争の影響で経済が急速に縮小しました。1999年には、NATO軍による空爆を受け、多くの建物やインフラが破壊されました。しかし、市民は破壊に屈することなく、平和を訴え続けました。

経済と文化

ウジツェの経済は、非鉄冶金、金属加工、織物工業などを中心に発展しています。市内には劇場や図書館などの文化施設があり、歴史を感じさせる博物館や古い高校も存在します。

現在のウジツェ

現在、ウジツェは過去の苦難を乗り越え、セルビア西部の重要な都市として発展を続けています。歴史的な建造物や美しい自然、そして人々の温かさが、訪れる人々を魅了しています。

ウジツェは、セルビアの歴史と文化を深く知ることができる魅力的な街です。ぜひ一度、訪れてみてください。

参考文献
（セルビア語）City of Užice
（セルビア語）Web portal of Užice's region - news, interactive map of Užice, events, discussion boards, weather...
* （セルビア語）The Official Facebook page of the Uzice city

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