ウスリーシロマス

ウスリーシロマス (Coregonus ussuriensis)

ウスリーシロマスは、サケ科コレゴヌス属に分類される淡水魚の一種です。シナノユキマスやアイヅユキマスと同属であり、アムール川水系を中心に分布しています。別名として「ワカソ」と呼ばれることもありますが、「ウスリーシロザケ」という名称は誤りです。

分布

ウスリーシロマスは、中華人民共和国東北部からロシア沿海地方、樺太にかけて分布しています。具体的には、アムール川水系に生息しており、日本には自然分布していません。

形態

ウスリーシロマスは、最大で全長60cm、体重2.1kgに達します。体の背面は暗い橙灰色をしており、頭部や各鰭は黄色みを帯びています。体側から腹部にかけては銀白色です。上下の顎はほぼ同じ長さで、口は頭部の先端に開いています。

生態

ウスリーシロマスの主な餌は、小魚、甲殻類、水生昆虫です。水温が10℃程度の清浄な水域を好み、水系内を季節的に移動する習性があります。

春になり川の結氷が解けると、本流の浅瀬に移動して活発に摂食を行います。夏に水温が15℃を超えると、支流の小河川に入り、ほとんど餌を摂らずに上流へ遡上します。水温が10℃を下回ると遡上を停止し、本流に戻って河川が結氷するまで活発に餌を食べるようになります。そして、河川が結氷すると本流の深みに集まり、越冬します。

繁殖期は10月下旬から11月上旬で、支流で行われます。

ダウリアシロマスとの違い

アムール川水系には、ウスリーシロマスの近縁種であるダウリアシロマス (Coregonus chadary) も分布しています。ダウリアシロマスは、上顎が下顎よりも著しく突出しており、口が頭部の下面に開いている点でウスリーシロマスと区別できます。

また、アムール川では、ウスリーシロマスが中流域から下流域を、ダウリアシロマスが上流域から中流域を生活圏とする棲み分けが見られます。

近縁種

シナノユキマス
ホワイトフィッシュ
* オームリ

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