ウダロイ級駆逐艦

ウダロイ級駆逐艦について

ウダロイ級駆逐艦（Udaloy class destroyer）は、ソビエト連邦海軍およびロシア海軍が運用する大型対潜艦で、正式には1155型大型対潜艦と呼ばれています。この艦級は、海軍での通称として「フレガート（Фрега́т）」という計画名でも知られています。

背景と開発

ウダロイ級の開発は1960年代初頭にまでさかのぼります。この艦級は、1970年代に建造された1134A型（クレスタII型）および1134B型（カーラ型）の後継として位置づけられていますが、実際には同時期に建造された1135型（クリヴァク型）の進化版と見ることができます。当初の設計は4,200トン級でしたが、新しい装備を多く採用した結果、最終的には排水量がほぼ倍増しました。

特徴と性能

ウダロイ級は、非常に強力な対潜戦闘能力を持ち、艦には強力なソナー装備や長射程の対潜ミサイル、二機の対潜哨戒ヘリコプターを装備しています。また、新型のキンジャール（SA-N-9）防空ミサイルを採用することで、個艦防空能力も大きく向上しています。しかしながら、専用の対水上火力に欠けるという弱点が指摘され、これを改善するためにウダロイII級駆逐艦が開発されました。

開発背景

ソ連海軍は1960年代中盤から、西側の潜水艦戦力への対抗策として対潜艦の整備を加速させました。この結果、1等大型対潜艦である1134型シリーズや2等大型対潜艦の1135型シリーズが就役しましたが、これらにはいくつかの課題があったのです。特に、潜水艦探知能力が不足していたことや、対水上戦闘能力が低かったため、これらの対潜艦では戦闘において劣位に立たされる危険性がありました。

1972年、次世代対潜艦の開発がスタートし、ポリノム統合ソナー・システムや新型の防空ミサイルシステムなどが導入されることになりました。本級は1135型の設計を基にしており、当初は4,200トンでの設計を目指しましたが、ポリノム統合ソナー・システムの搭載を考慮して艦の大型化が進みました。最終的に、ウダロイ級はアメリカのスプルーアンス級駆逐艦と常に対比される存在感を持つ艦へと成長しました。

設計と技術

ウダロイ級の船体設計は1135型と同様の形状を持ち、全体として鋭い艦首と広い艦尾が特徴です。また、アメリカとの対抗意識から、艦はより良い性能を求められ、多くの新技術が導入されましたが、ダメージコントロール面での配慮が不十分だったため、特に火災事故が発生した事例もあります。これにより、艦の長期的な運用が難しくなる事態もありました。

本級は機関方式にCOGAGを採用し、高速での運用に対応した設計がされています。また、レソルブ-5戦術情報処理装置を搭載し、艦内の連接を統合した戦闘システムが構築されていますが、システムの統合は様々な困難を伴いました。しかし、改良された装備により、艦の戦闘力は大きく向上しています。

運用と現状

ウダロイ級は1980年代から1991年にかけて12隻が就役し、カリーニングラードの造船工場で主に建造されました。その後、1991年にソ連が解体されると、ロシア海軍としての運用が行われていますが、財政難による影響で艦の維持が困難な状況もありました。2017年時点で4隻が除籍される一方で、現在も稼働中の艦は多く、高い運用効率を発揮しています。

近年では近代化改修が検討され、艦の戦力を高めるために新兵装や電子機器の改装が行われる予定です。これにより、ウダロイ級は今後も現役での活躍が期待されており、ロシア海軍にとって重要な戦力の一つとされています。

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