ウッディー島

ウッディー島について

ウッディー島（Woody Island）、またの名を永興島（永兴岛）やフーラム島（Đảo Phú Lâm）は、西沙諸島、通称パラセル諸島に位置する最大の島です。この島は、南シナ海に浮かぶ重要な拠点として、様々な歴史と領有権を巡る争いの舞台となってきました。

地勢

ウッディー島は、アンフィトリテ諸島に属し、周囲は美しいサンゴ礁に囲まれています。この島の面積は約2.1平方キロメートルで、海抜は平均して5メートルです。島自体は比較的平坦で、熱帯気候に属するため、年間を通して比較的温暖な気候が特徴です。平均気温は26.5℃程度で、豊かな生態系が魅力です。

領有をめぐる状況

この島は、領有権を巡る争いが続く複雑な場所でもあります。中国、ベトナム、および台湾がそれぞれ主権を主張しており、特に1974年の西沙諸島の戦い以来、中国が実効支配を行っています。中国は、この戦いによってウッディー島を含む地域を占拠し、以来この島を含む南シナ海の島々を南海諸島と称しています。

中国による実効支配

中国政府はウッディー島を南海の中核とし、様々なインフラを整備しています。具体的には、軍事基地として利用されており、滑走路の設置が進められています。元々直径1.6kmの島に2,700mの滑走路が建設され、さらに拡張されて軍民共用として利用されています。2015年から2017年の間には、J-11戦闘機や長距離地対空ミサイルが展開され、軍事的な重要性が増しています。また、三沙市議事堂が設置され、島に住む住民のための議会機能を果たしています。

歴史

ウッディー島の歴史は非常に波乱に満ちています。1932年にはフランスが占拠し、その後1939年に大日本帝国の支配下に入りました。1956年からは中国人民解放軍が進駐し、1959年には広東省海南行政区の弁事処が設立されました。1974年にはベトナムとの事戦で中国が勝利し、島全体の支配権を確保しました。1978年から1988年の間にかけては空港と港の建設が進められ、2012年には三沙市の設置が正式に承認されました。

交通

ウッディー島へのアクセスは限られていますが、中国本土の海南島三亜市と定期貨客船が就航しています。特に、琼沙3号が頻繁に運航しているため、訪問が可能です。

現在の状況

現在、ウッディー島は中国の拠点としての役割を担い、南シナ海における戦略的な位置を有しています。また、住民の多くはこの島に居住しており、教育機関や公共施設も整備されています。これにより、地元の社会も徐々に発展している状況です。さらにこの島は、観光地としてのポテンシャルも持っており、訪れる人々に独特の体験を提供しています。

このようにウッディー島は、地理的な魅力だけでなく、歴史的な背景や現在の国際情勢とも深く結びついている島であることがわかります。

もう一度検索