ウッドバインオークス

ウッドバインオークス：カナダ競馬を彩る牝馬クラシック

ウッドバインオークスは、カナダ・オンタリオ州トロント近郊にあるウッドバイン競馬場で開催される、サラブレッドによる平地競走です。カナダの3歳牝馬にとって最高の栄誉を争う舞台として知られ、カナダ競馬史に輝く名牝たちが数多く誕生してきました。

歴史と変遷

1956年に創設されたこの競走は、当初からカナダ産馬限定という条件が設けられており、国際的な格付け（グレード制）には含まれていません。しかし、カナダ国内においては、その歴史と伝統から、最高の3歳牝馬を決める競走として揺るぎない地位を確立しています。1961年から2001年までは「カナディアンオークス」という名称でしたが、現在は「ウッドバインオークス」として、バドワイザーの協賛を得て盛大に開催されています。総賞金は50万カナダドルに達し、カナダ競馬における重要な競走の一つとなっています。

1999年に創設されたカナダ牝馬三冠競走では、その第1戦として位置づけられ、この競走を制した馬はカナダ競馬界におけるトップクラスの座を射止めることになります。

競走の歴史には、数々のドラマが刻まれています。1973年にはスクウェアエンジェルがレースレコードとなる1分48秒4/5で優勝。1970年から1974年にかけては、サンディ・ハーレイ調教師が5連覇という偉業を達成しました。また、1981年には172倍という大穴馬リージェントミスが勝利し、競馬ファンの度肝を抜きました。さらに、1982年にはアヴォワールが2着馬に13馬身差をつける圧勝劇を演じ、同競走における最大の着差記録として現在も語り継がれています。

施行距離は、創設当初の1マイル1/16（約1709メートル）から、1959年以降は1マイル1/8（約1811メートル）に延長されました。また、馬場状態も、2007年からはダートからポリトラックへと変更されています。

伝説的名馬：ダンススマートリーとその一族

ウッドバインオークスの歴史において、特に記憶に残る名馬として、ダンススマートリーが挙げられます。この名牝は、自身もウッドバインオークスを制覇しただけでなく、その母クラッシーンスマート、そして産駒のダンススルーザドーンも同競走を制しており、親子三代での優勝という偉業を達成しました。この快挙は、カナダ競馬史に燦然と輝く金字塔として、長く語り継がれることでしょう。

カナダ競馬の未来を担う競走

ウッドバインオークスは、単なる競馬の競走にとどまりません。それは、カナダのサラブレッド競馬界の未来を担う若き才能たちの登竜門であり、カナダ競馬の誇りであり、そして、数々のドラマと感動を生み出す、忘れられない舞台なのです。今後も、多くの名馬と忘れられないレースが生まれることを期待し、その歴史を見守っていきたいものです。

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