ウプサラ天文台

ウプサラ天文台（Astronomiska observatoriet i Uppsala）は、スウェーデンにおいて最も歴史のある天文台です。ウプサラ大学における天文学の教育は15世紀に遡り、1593年には天文学の教授職が設けられましたが、実際に天文台が設立されたのは1741年のことでした。

18世紀には、著名な科学者アンデルス・セルシウスがウプサラで研究活動を行い、その一環として1741年に天文台を設立しました。セルシウスは、ウプサラの市街地に位置する中世に建てられた石造りの家屋を購入し、その屋根の上に観測所を建設しました。彼はこの家を住居として研究に励み、この観測所は1853年に「旧天文台」と呼ばれる新しい建物が建設されるまで使用され続けました。セルシウスが住んだ家は現在も残っていますが、屋根の上の観測所は1857年に解体されました。

19世紀に入ると、アンデルス・オングストロームが天文台の学芸員となり、天文学だけでなく物理学や光学に関する実験も積極的に行いました。また、クヌート・オングストロームもウプサラ天文台で研究活動を行い、特に太陽からの熱放射と地球大気による吸収に関する研究に貢献しました。

2000年には、ウプサラ天文台と宇宙物理研究所が統合され、オングストローム研究所の天文台・宇宙物理部門として新たなスタートを切りました。現在では、ウプサラの施設だけでなく、クヴィスタベリ天文台やオーストラリアのサイディング・スプリング天文台にあるウプサラ南天観測所の管理も行っています。

ウプサラ天文台は、その長い歴史の中で多くの科学者たちが研究を行い、天文学の発展に大きく貢献してきました。現在も、その伝統を受け継ぎ、最先端の研究が進められています。

関連リンク
Uppsala Astronomical Observatory
History
* Ångström Laboratory

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