ウマル・ヤラドゥア

ウマル・ムサ・ヤラドゥア：ナイジェリアの政治家

ウマル・ムサ・ヤラドゥア（1951年7月9日 - 2010年5月5日）は、ナイジェリアの政治家であり、2007年5月29日から2010年5月5日までナイジェリアの大統領を務めました。フラニ族出身であり、その政治キャリアは、州知事から大統領へと至るものでした。

生い立ちと教育

ヤラドゥアは、カツィナの有力なフラニ族の家系に生まれました。彼は、カツィナ首長国の財務官を示す「ムタワリ」という称号も保持していました。教育は、ラフッカ及びドゥツィマ小学校、国立ケフィ高校、バレワ高校を経て、ザリアのアフマド・ベロ大学に進学。1975年に教育と化学の学位、1980年には分析化学の修士号を取得しました。

キャリア

教育分野では、ラゴスやザイラで教職を経験した後、企業に転職。複数の企業で役員を歴任し、その後、政界に転身しました。1999年5月29日から2007年5月28日まで、北部カツィナ州知事を務めました。州知事時代には、経済・財政改革や社会基盤の整備に尽力する一方で、北部でシャリーアを導入した5つの州の一つとして、物議を醸す側面もありました。

大統領への道

ヤラドゥアは、オルシェグン・オバサンジョ大統領の後継者として指名され、2007年4月21日の大統領選挙に出馬。選挙結果は、次点の候補者を大きく引き離しての当選となりましたが、国際選挙監視団からは、不正投票や投票所の襲撃事件など、選挙の正当性に対する疑問が呈されました。しかし、同年5月29日には大統領として就任しました。

大統領として

ナイジェリアの政治は、汚職が蔓延しているとされていましたが、ヤラドゥアは、オバサンジョの傀儡と見られる一方で、その清廉なイメージから国民の支持を集めました。しかし、大統領在任中には、健康問題に悩まされることになります。

病気と死

2010年1月13日、ヤラドゥアは心臓病の治療のため、サウジアラビアの病院に入院。大統領不在が長期化し、国政に混乱が生じたため、2月9日には大統領権限が副大統領のグッドラック・ジョナサンに移譲されました。同年4月には会話も困難な状況であると報じられ、5月5日に心臓病のため大統領官邸で死去。58歳でした。

ウマル・ムサ・ヤラドゥアは、ナイジェリアの政治において、重要な役割を果たした人物であり、その功績と課題は、今後のナイジェリアの発展に影響を与え続けるでしょう。

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