ウラジオストク港

ウラジオストク港の概要

ウラジオストク港（Порт Владивостокский）は、ロシア連邦のウラジオストクに位置する港です。この港はピョートル大帝湾に面しており、ロシア極東において非常に重要な物流拠点とされています。また、アジア太平洋地域でも主要な港の一つであり、国内航路の重要なポイントでもあります。

港の管理と特徴

ウラジオストク港は、株式会社ウラジオストク海上貿易港（VMTP）が管理しており、こちらはFESCOグループの一員としても知られています。ここは数少ない不凍港の一つであり、極東ロシアのさまざまな活動に寄与しています。港の水深は20メートルから30メートルで、管制はウラジオストク無線センターが行っています。さらに、コールサインは「ウラジオストク港管制」というもので、VHF67チャンネルで通信が行われます。

港の施設

ウラジオストク港には15の埠頭があり、総延長は4キロメートルに達します。ここには368千m²の荷捌場と65.9千m²の倉庫があり、港内の臨港線は総延長が20キロメートルに及びます。定期航路は14航路あり、そのうち12航路はコンテナ船、2航路はRo-Ro船専用です。埠頭は、ばら物、コンテナ、自動車、油槽所などの取り扱いを行えるスペースが確保されています。また、定温コンテナ用の電源も600箇所用意されています。

2014年には、ウラジオストク港史上最高の47,777TEUのコンテナを取り扱うという記録が樹立され、これはロシア極東の港における月間最高記録です。年間取扱量は513,481TEUに達し、こちらも同地域の最高記録となりました。

旅客航路と国際貿易

ウラジオストク港では、客船が出発するためのターミナルも設置されています。特に日本や韓国との航路が目立ち、例えば、ウラジオストクと韓国浦項市を結ぶ航路は2020年から週1回の運航が始まりました。このルートは、ドゥウォン商船という運行会社によって運営されています。

ロシア革命以降、ウラジオストク港は軍港としての役割も果たしていましたが、1991年に国際貿易港として開放されたことで、外貿と内貿貨物の割合が逆転しつつあります。最新のデータによると、2016年の貨物取扱量は5,637千トンに達しました。

貨物取扱の現状

ウラジオストク港はアジア太平洋地域において外貿取扱の中心地として機能しています。荷物としては、スラブ、ビレット、ロール鋼板、鋳鉄、スクラップ、コークス、硫黄、穀物など多岐にわたります。これらは韓国、日本、中国、台湾、タイ、ベトナムなどへ輸出されます。

内貿貨物は、機械や穀物、建築材料、燃料、潤滑油が中心で、主な目的地はペトロパブロフスク・カムチャツキーやマガダン、アナディリなどです。

自由港制度

ウラジオストク港は歴史的に自由港として運営されていましたが、1909年の日露戦争後にその機能を停止しました。しかし、2015年からは沿海地方の15の都市に自由港制度が適用され、その中にウラジオストクも含まれています。2023年には、中国が165年ぶりにこの港の使用権を回復したとの報道もあり、今後の発展が期待されます。

対外関係

ウラジオストク港は、1992年に日本の伏木富山港と友好港締結を行うなど、対外的な関係も深めています。交通アクセスも便利で、シベリア鉄道のウラジオストク駅に隣接しており、多くの人々が訪れる港となっています。

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