ウラBTTB

シングル『ウラBTTB』の紹介

『ウラBTTB』は、坂本龍一が1999年5月26日にリリースしたシングルで、アルバム『BTTB』に続く作品です。本作は、三つのピアノ曲から構成されており、特に一曲目の「energy flow」は広く知られています。

タイトルの特徴

このシングルのタイトルは、一般的な書き方とは異なり、「B」の文字が左右反転した鏡文字で表記されています。このユニークなスタイルが、作品に対する興味を引きます。また、CDジャケットは黒を基調としたデザインで、黒字のタイトルが印刷されています。そのため、黒バックに黒字では判読が困難になっており、配信やディスコグラフィーでは白字に変更されています。

オリコンチャートにおいては、シングルのタイトルは「energy flow（『ウラBTTB』）」として表示されています。至る所で耳にするこの曲は、音楽界でも有名な存在です。

楽曲の制作と音楽性

「energy flow」は、1999年3月より三共のCM『リゲインEB錠』に使用されていました。当初のCMでは、坂本がスクランブル交差点の真ん中でピアノを演奏する映像が放映されていましたが、その後坂本出演部分はカットされることとなりました。元々作曲されたのは30秒の音源だったものの、CMの評判が良かったため、急遽新たなパートを加えて一曲に編纂された経緯があります。CMでの音源も、アルバム『CM/TV|CM_TV』に収められています。

坂本はこの曲を作る際に、ポップな方向性は全く考えず、約5分で完成させたと語っています。いまだにこの曲がなぜヒットしたのか理解できないという彼の言葉は、音楽の神秘さを感じさせます。

サンプリングとリメイク

「energy flow」は、その後も多くのアーティストに影響を与えています。2008年には、スケボーキングが同曲のリメイクをシングル「elegy train」に収録。また、2016年には加藤ミリヤがこの曲をサンプリングした「BABYLON」をアルバム『LIBERTY』にて発表しました。さらに、2018年にはU-zhaanと坂本のコラボレーションによるリワークバージョンも登場しています。

他の収録曲

『ウラBTTB』に収録されている他の楽曲には、TBSテレビ『筑紫哲也 NEWS23』のテーマソングとして作られた「put your hands up (piano version)」があり、これは1997年から2005年まで放送に使用されていました。また、映画『鉄道員』の主題歌をピアノバージョンで表現した「鉄道員 (piano version)」も収録されており、こちらは坂本の娘、坂本美雨が原曲を歌っています。

アルバムとしての成功

「energy flow」がCMソングとして使われたことにより、その人気は高まりました。また、このシングルは坂本の名声を背負い、インストゥルメンタルの作品として初めてオリコン週間チャートで1位を記録しました。その後も10週連続でトップ10入りし、総売上は155.0万枚（オリコン調べ）または180万枚（公称）に達しました。

まとめ

坂本龍一の『ウラBTTB』は、シンプルで美しいピアノ曲の数々を収めたアルバムであり、今なお多くの音楽ファンに愛され続けています。彼の音楽が人々に与える影響は計り知れず、次世代のアーティストたちにも受け継がれています。また、この作品はサンプリングの一例としても、音楽シーンにおける重要な位置を占めています。

もう一度検索