ウルソール酸

ウルソール酸（ursolic acid）は、植物界に広く存在する五環性トリテルペン酸の一種です。化粧品分野では、その特性から活用されています。

抗がん作用の研究

ウルソール酸は、がん細胞の増殖を抑制する可能性が研究されています。具体的には、STAT3活性化経路を阻害することにより、様々ながん細胞の増殖を抑制することが示唆されています。また、グルココルチコイド受容体を介した作用により、マトリックスメタロプロテアーゼ-9の発現を減少させ、ヒト線維肉腫細胞の増殖を抑制する効果も報告されています。

ウルソール酸が豊富な植物

ウルソール酸は、リンゴ、バジル、ビルベリー、クランベリー、エルダーフラワー、ペパーミント、ローズマリー、ラベンダー、オレガノ、タイム、サンザシ、プルーンなど、多くの植物に含まれています。特にリンゴの皮には、ウルソール酸および関連化合物が豊富に含まれていることが知られています。

生理活性誘導体としての利用

ウルソール酸は、より強力な生理活性誘導体を合成するための出発材料としても利用されています。その多様な生理活性に着目し、様々な分野での応用が期待されています。

筋肉への効果

ウルソール酸は、筋肉の萎縮を軽減し、筋肉の成長を促進する効果がマウス実験で確認されています。このことから、筋肉の健康維持に役立つ可能性が示唆されています。

皮膚への効果

紫外線は、皮膚のコラーゲン線維束を破壊し、シワなどの原因となります。ウルソール酸ベンジルには、紫外線によってダメージを受けたコラーゲン線維束の状態を改善する効果があることが発見されており、その美容効果にも注目が集まっています。

ウルソール酸は、様々な可能性を秘めた天然化合物として、今後さらなる研究開発が期待されています。

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