ウルフラム・リサーチ

ウルフラム・リサーチ（Wolfram Research）は、アメリカ合衆国イリノイ州シャンペーンに本社を置く、コンピュータソフトウェアの開発企業です。特に数式処理システム「Mathematica」の開発・販売元として世界的に知られています。同社は、ウルフラム・メディア、イギリスのウルフラム・リサーチ・ヨーロッパ、そして日本のウルフラム・リサーチ・アジアと共に、ウルフラム・グループを形成しています。

この企業の創業者であり、最高経営責任者（CEO）を務めるのは、主力製品であるMathematicaの開発者でもあるスティーブン・ウルフラムです。彼の主導のもと、ウルフラム・リサーチは数々の革新的な技術を生み出してきました。

2009年5月18日には、ウルフラム・リサーチの子会社であるWolfram Alpha LLCが運営する、オンライン質問応答システム「Wolfram Alpha」が正式に公開されました。これは、自然言語で質問を入力すると、知識ベースから答えを導き出す画期的なシステムです。さらに、2013年6月には、多岐にわたる分野で使用できる高度なプログラミング言語「Wolfram言語」を発表し、プログラミングの世界に新たな風を吹き込みました。

ウルフラム・リサーチは、他の企業との協業も積極的に行っています。2011年3月30日には、MathCore Engineering ABを傘下に収め、技術力の強化を図りました。また、同年7月21日には、インタラクティブなコンテンツを容易に作成できる電子ドキュメント形式である「CDF (Computable Document Format)」を発表し、情報伝達の新たな形を提案しました。2014年6月には、Mathematicaの主要プログラミング言語でもあるWolfram言語を公式に発表し、マルチパラダイムプログラミング言語としての可能性を広げています。

ウルフラム・リサーチは、公開リソースの提供にも力を入れています。「MathWorld」や「ScienceWorld」などの無料ウェブサイトを公開しており、科学や数学分野への貢献を行っています。また、「Wolframデモンストレーションプロジェクト」では、Mathematica Playerを用いたインタラクティブな技術デモンストレーションを提供しており、ユーザー参加型の学習環境を提供しています。

さらに、ウルフラム・リサーチは「Mathematica journal」を発行し、ウルフラムグループの出版部門であるWolfram Mediaからは書籍も出版しています。これにより、最新の技術動向や研究成果を広く共有しています。

毎年、本社のあるイリノイ州シャンペーンでは、「ウルフラムテクノロジーコンファレンス」が開催され、開発者がモバイル端末、クラウドコンピューティング、インタラクティブデプロイメントなどのためのウルフラム技術に関する最新情報を共有する場となっています。この会議は、開発者にとって重要な情報交換の機会となっています。

現在、ウルフラム・リサーチは電子教材の作成にも取り組んでいます。これにより、教育分野におけるテクノロジーの活用を推進し、より効果的な学習環境の構築を目指しています。

ウルフラム・リサーチは、技術革新を通じて社会に貢献し続ける企業です。その活動は、数式処理、プログラミング、教育など、多岐にわたる分野に影響を与えています。

外部リンク
ウルフラム・リサーチ公式サイト（日本語）
ウルフラム・リサーチ公式サイト（英語）

もう一度検索