ウージュホロド

ウクライナ西部の都市、ウジュホロド

ウジュホロド（Ужгород）は、ウクライナ西部のザカルパッチャ州の州庁所在地であり、スロバキア、ハンガリーとの国境に近い都市です。かつてはハンガリー王国のウング県の中心地でもありました。

市名の由来

市名は市内を流れるウジュ川に由来します。ウジュ川は旧市街と新市街を分けています。「ウジュ」は「丸くなったヘビ」を意味し、「ホロド」は「都市」を意味する言葉です。ただし、この名称が使われるようになったのは20世紀初頭からで、歴史的には様々な名前で呼ばれてきました。

歴史

発祥から近代

ウジュホロドの起源は古く、3世紀頃に白クロアチア人が定住したのが始まりとされています。9世紀には要塞化された集落となり、ラボレツ公が治めるスラヴ人国家の中心となりました。903年にはマジャル人が侵攻し、ハンガリー王国の支配下に入ります。13世紀にはモンゴル帝国の侵攻を受けましたが、14世紀にはドルエット家が支配し、城を建設、都市の発展を促しました。1430年以降、ウジュホロドは都市特権を獲得し、ウングヴァルと呼ばれるようになります。

16世紀から17世紀

この時代、ウジュホロドは手工芸の中心地として発展しました。宗教改革の時代には、プロテスタントとカトリックの対立の舞台ともなりました。1646年にはウジュホロド連合が宣言され、東方典礼カトリック教会が設立されました。

19世紀から現代

19世紀に入ると、ウジュホロドに最初の工場が建設されるなど、経済的な変化が見られました。1848年のハンガリー革命では、ハンガリー貴族が民族自決を主張し、一時的に君主制が倒されました。1872年には、最初の鉄道が開通しています。

20世紀から現代

第一次世界大戦後、ウジュホロドはチェコスロバキアに編入され、下カルパチアの中心都市として発展しました。第二次世界大戦中にはハンガリーに編入され、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害が行われました。1944年にはソ連軍によって解放され、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の一部となりました。

ソ連時代には、ウジュホロド郊外に新たな事業が興され、都市は大きく発展しました。1945年にはウジュホロド国立大学が創立され、教育の中心地としての地位を確立しました。

1991年のウクライナ独立以降、ウジュホロドはザカルパッチャ州の州都となり、現在に至ります。2022年からのロシアによるウクライナ侵攻以降、戦火を避けて人口が急増しています。

統計

2001年の国勢調査によると、ウジュホロドの住民構成はウクライナ人が多数を占め、次いでロシア人、ハンガリー人、スロバキア人が多くなっています。

交通

ウジュホロドは鉄道の要衝であり、ウージュホロド国際空港もあります。市内にはバスやマイクロバスが運行しています。

姉妹都市

ウジュホロドは、ハンガリー、ロシア、アメリカ合衆国、ドイツ、スロバキア、ポーランドなど、様々な国の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ベーケーシュチャバ、ハンガリー
ニーレジハーザ、ハンガリー
モスクワ、ロシア
オリョール、ロシア
コーバリス (オレゴン州)、アメリカ合衆国
ダルムシュタット、ドイツ
コシツェ、スロバキア
クロスノ、ポーランド

まとめ

ウジュホロドは、多様な文化が融合した歴史的な都市であり、国境地帯の重要な拠点として、今後の発展が期待されています。

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