ベーケーシュチャバ

ベーケーシュチャバは、ハンガリー南東部に位置する都市で、ベーケーシュ県の県都です。ハンガリー語ではBékéscsabaと表記され、[ˈbeːkeːʃˌtʃɒbɒ]と発音します。スロバキア語ではBékešská Čaba、ルーマニア語ではBichişciaba、ドイツ語ではTschabeと表記されます。

歴史

この地域には古代から人が居住しており、鉄器時代にはスキタイ人、ケルト人、フン族などがこの地を支配しました。ハンガリー人の征服後、多くの小村が形成されました。

1330年代にはチャバ（Csaba）という村が初めて記録に登場し、このチャバを含め、現在のベーケーシュチャバの場所には8つの村が存在していました。オスマン帝国のハンガリー征服後、ハンガリーはトルコ領ハンガリー、ハプスブルク領ハンガリー王国、東ハンガリー王国に分割されました。この時代にチャバなどの村は存続しましたが、17世紀の対トルコ戦争中に消滅しました。

1715年には、チャバは荒廃した地として記録されましたが、そのわずか1年後には、税を納めた町の名前として再び記録に登場します。新しいチャバは、トルコとの解放闘争で功績を立て、ベーケーシュ県の地域を購入したジェルジ・ヤーノシュによって建設されたとされています。

1847年には、町の人口は22,000人に達し、ハンガリー国内の大規模な市町の中で20位以内に入るほどになりました。しかし、当時のチャバは、ぬかるんだ道や密集した家々が立ち並ぶ、大きな村のような状態でした。

1858年に鉄道が開通すると、町は急速に発展し始めました。新しい住宅や工場が建設され、町は繁栄しました。しかし、19世紀末には失業問題が深刻化し、1891年には暴動が発生し、ルーマニア王国軍の支援を受けて鎮圧される事態となりました。

第一次世界大戦では町は被害を受け、1919年から1920年の間はルーマニアに占領されました。トリアノン条約の結果、ハンガリーはアラドやナジヴァーラドなどの南部主要都市を失いましたが、ベーケーシュチャバはこれらの都市の役割を引き継ぎ、南東部最大の主要都市として発展しました。

二つの世界大戦の間には、経済の低迷が貧困と失業をもたらし、1925年には町を襲った洪水に対する支援も不足していました。

第二次世界大戦中には、町周辺での戦闘は起こりませんでしたが、1944年には悲劇的な事件が2つ発生しました。6月24日から26日の3日間で、約3,000人のユダヤ系住民がアウシュヴィッツ強制収容所へ送還され、多くが命を落としました。9月21日には、イギリス空軍とアメリカ空軍の爆撃機がベーケーシュチャバの鉄道駅周辺を爆撃し、100人以上の住民が犠牲となりました。同年10月6日には、ソビエト軍がベーケーシュチャバを占領しました。

共産主義政権下では、ベーケーシュチャバはベーケーシュ県の県都となり（1950年）、ハンガリー国内でも有数の食品加工産業の中心地として発展しました。1990年の民主化以降、工場は経済危機に陥り、多くの住民が職を失いましたが、現在は経済危機を乗り越え、再び繁栄を続けています。

統計

2001年の調査によると、ベーケーシュチャバの人口は67,383人で、その内訳は、93.8％がハンガリー人、6％がスロバキア人、0.6％がドイツ人、0.4％がロマ人、0.4％がルーマニア人、0.2％がスロヴェニア人、0.1％がウクライナ人、5.6％が不明でした。

1880年の調査では、ベーケーシュチャバには25,339人のスロバキア人と6,579人のハンガリー人が居住していました。

見どころ

ベーケーシュチャバには、以下のような見どころがあります。

バロック様式教会 (18世紀)
古典主義教会 (19世紀)
市庁舎
ムンカーチ・ミハーイ美術館
ヨーカイ・モール劇場
スロバキア民俗博物館

出身者

ベーケーシュチャバ出身の著名人には、以下のような人物がいます。

ラースロー・ヴィドツキー - 作曲家
バラージュ・バーイ - 陸上競技選手

姉妹都市

ベーケーシュチャバは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ルターシュタット・ヴィッテンベルク（ドイツ）
ウージュホロド（ウクライナ）
オドルヘユ・セクイエスク（ルーマニア）
ズレニャニン（セルビア）
タルノフスキェ・グルィ（ポーランド）
トレンチーン（スロバキア）
ベユシュ（ルーマニア）
ミッケリ（フィンランド）

外部リンク

公式ウェブサイト
現地の写真
* 航空写真

もう一度検索