エアロビー

エアロビー（Aerobee）とは

エアロビーは、米国で1950年代に設計された小型の弾道飛行観測ロケットです。このロケットは、主に大気の上層や宇宙線を研究するために開発されました。本体の長さは約8メートルで、当時の最先端技術を駆使して設計されています。

開発と初打ち上げ

エアロビーの開発は1946年にエアロジェット社によって始まりました。初めての打ち上げは1947年11月24日にニューメキシコ州のホワイトサンズ・ミサイル実験場で行われ、ロケットは56kmの高度に達しました。この時の成功を受けて、さらなる改良が加えられ、最終的には230kmまでの高度到達能力が備わるようになり、後には400kmまでの可能性が確認されました。

構造と性能

エアロビーは、固体燃料ブースターと硝酸/アニリンサスティナーによる二段式の設計で、機器は常に遠隔操作され、搭載された機材はパラシュートにより回収されます。このロケットが充分なスピードに達するためには、高さ53メートルの打ち上げ塔が必要でした。打ち上げ塔は、ワロップス島にある同実験場で建設され、ミサイル実験艦ノートン・サウンドに設置されました。

エアロビーの最大の特徴は、68kgのペイロードを130kmの高度まで運ぶ能力にあります。運搬能力も非常に高く、1958年までに165機の打ち上げが成功し、様々な研究を支えました。

歴史的な意義と後継機

1948年3月5日、エアロビーは初めて宇宙線測定用の機器を運び、117.5kmの高度に到達しました。この成功は、その後の様々なミッションへとつながり、ヴァンガード計画ではエアロビーが重要な役割を果たしました。このミッションでは、エアロビーが第2段目に配置され、ヴァンガード1号の打ち上げを支援しました。

1970年代に入ると、エアロビーハイという改良機も実際に打ち上げが行われ、1955年の初打ち上げ以降、さまざまな研究に利用されました。エアロビーの開発者たちの努力によって、このロケットは3段階の性能向上が図られ、実績は最終的には1037機の打ち上げに達しました。最後の打ち上げは1985年1月17日であり、エアロビーはその歴史を締めくくります。

結論

エアロビーは、当時の宇宙開発において重要な役割を果たしたロケットであり、その研究成果は今日の航空宇宙分野においても活用されています。エアロビーの技術や経験は、後の宇宙探査ミッションに多大な影響を与えることとなりました。

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