エア・ローデシア827便撃墜事件

エア・ローデシア827便撃墜事件

1979年2月12日、エア・ローデシア827便は、ハラレ国際空港を離陸直後に、ジンバブエ人民革命軍によって撃墜されるという痛ましい事件が発生しました。この事件は、ローデシア（現在のジンバブエ）史上最悪の航空事故として記録されています。

事件の背景

当時、ローデシアでは治安部隊とジンバブエ人民革命軍との間で激しい戦闘が繰り広げられていました。人民革命軍は、ローデシア治安部隊の総司令官であるピーター・ウォールズ将軍が827便に搭乗しているという情報を入手し、同便を9K32 ストレラ-2地対空ミサイルで撃墜することで、ウォールズ将軍を暗殺する計画を立てました。

しかし、実際にはウォールズ将軍は妻と共に827便に乗り遅れていました。人民革命軍は、その事実を知らないまま、予定通りミサイル攻撃を実行しました。攻撃を受けた827便は損傷し、カリバ湖の東側に墜落。乗客乗員59人全員が死亡するという悲劇的な結末を迎えました。

事故後の対策と報復

この事件の約5ヶ月前にも、エア・ローデシア825便が撃墜される事件が発生しており、ローデシア政府は革命軍に対し、断固たる報復措置を取ることを決定しました。エア・ローデシアは、二度の撃墜事件を受け、更なる対策を講じる必要に迫られました。具体的には、赤外線シグネチャー対策として、機体の排気管にシュラウディングを追加し、光波ホーミング誘導式ミサイル対策として、機体を低放射能塗料で塗装するなどの対策を実施しました。

また、1979年2月25日には、ローデシア空軍は南アフリカ空軍の極秘支援を受け、ザンビアのリヴィングストン近郊にある革命軍キャンプを攻撃する「バニティー作戦」を実行しました。この作戦は、革命軍に対する報復として行われたものであり、両者の対立はさらに激化することとなりました。

まとめ

エア・ローデシア827便撃墜事件は、ローデシア内戦の激化を象徴する出来事であり、多くの犠牲者を出した悲惨な事件でした。この事件を教訓に、航空機の安全対策の強化、紛争の解決に向けた取り組みの重要性を改めて認識する必要があるでしょう。

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