エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団

ジ・エイジ・オヴ・インライトゥンメント・オーケストラ

ジ・エイジ・オヴ・インライトゥンメント・オーケストラ（The Orchestra of the Age of Enlightenment, 略称OAE）は、英国を拠点とする著名な古楽器オーケストラです。その名称は「啓蒙時代の管弦楽団」を意味し、日本語では「インライトゥメント」の呼び名が広く定着しています。

設立と特色

当オーケストラは1986年に、個々の演奏家たちの自発的な集まりから誕生しました。その設立経緯を反映し、現在に至るまで特定の首席指揮者を置かず、プロジェクトごとに国内外から様々な指揮者を招聘するという独特のスタイルを貫いています。設立当初は、シギスヴァルト・クイケンやフランス・ブリュッヘンのような古楽演奏の第一人者を招くことが中心でした。

しかし、次第にチャールズ・マッケラスやサイモン・ラトルのように、モダン楽器オーケストラで活躍する指揮者や演奏家との共演が飛躍的に増加しました。古楽器による歴史的演奏習慣に基づいたアプローチと、モダン楽器の世界で培われた解釈や視点が融合することで生まれる音楽は、このオーケストラの最も顕著で個性的な魅力となっています。この柔軟な体制により、彼らは幅広い時代の作品に対して、常に新鮮なアプローチで挑むことができています。

主要な活動拠点としては、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールや、オペラ公演で名高いグラインドボーン音楽祭歌劇場と密接な関係を築き、定期的な公演やオペラ上演を行っています。

レパートリーと共演

設立当初、OAEのレパートリーは、パーセルやハイドン、シューベルトといったバロックから古典派、初期ロマン派にかけての作品が中心であり、典型的な古楽器オーケストラの活動範囲に留まっていました。

しかし、ロンドン・クラシカル・プレイヤーズを吸収・統合して以降、その活動範囲は大きく広がります。ショパンやワーグナー、ヴェルディといった後期ロマン派の作曲家の作品にも取り組み、録音を行うなど、古楽器による演奏対象時代を一気に拡大しました。これは、彼らの探求心と古楽器の可能性への挑戦を示すものです。

これまでの活動においては、著名な声楽家や器楽奏者との共演も数多く実現しています。例えば、ルネ・フレミング、イアン・ボストリッジ、マイケル・チャンス、アンドレアス・ショルといった世界的な歌手や、イヴァン・フィッシャーのような優れた演奏家たちと共演し、多様な音楽的成果を生み出してきました。

その柔軟な組織運営、多様な指揮者や共演者との共同作業、そして時代を超えた幅広いレパートリーへの挑戦を通じて、ジ・エイジ・オヴ・インライトゥンメント・オーケストラは、古楽器演奏の可能性を常に押し広げ続けています。

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