エイトメン・アウト

『エイトメン・アウト』（原題: Eight Men Out）は、1988年に制作されたアメリカ映画であり、ジョン・セイルズが監督を務めました。日本では劇場未公開作品です。

この映画は、1963年に出版された書籍を原作としており、ブラックソックス事件を本格的に取り扱った作品として知られています。原作では、「登板試合で全力を出せば妻に危害が及ぶ」という脅迫を受け、選手が故意に失点する場面が描かれていますが、作者のエリオット・アジノフは後にこの場面が創作であることを認めています。

あらすじ

物語は、シカゴ・ホワイトソックスのオーナーがチームに対し、徹底した緊縮財政を敷く場面から始まります。この方針は選手たちの不満の種となり、優勝しても喜びを分かち合うシャンパンは気が抜けたものでした。洗濯も満足にされないユニフォームは「ブラックソックス」と揶揄され、選手たちの鬱積は高まっていきます。そして、その不満は給与問題と結びつき、許されない八百長、ギャンブル、裏社会との繋がりへと発展していきます。

裏社会からの脅迫により、ホワイトソックスは勝利を奪われ、ワールドシリーズで敗北。その試合内容は不可解なものとして大々的に報道されます。この事件は裁判に発展し、コミッショナー制度が確立されるきっかけとなります。アメリカ野球界を揺るがしたブラックソックススキャンダルは、コミッショナーによる永久追放という処分によって幕を閉じ、8人の選手が野球界から姿を消すことになりました。

物語の終盤では、独立リーグで活躍する選手たちを、哀愁と憧憬の眼差しで見つめる観客の姿が描かれます。名前を変えても野球を続ける選手と、追放処分を受け野球を失った観客という対比を通して、事件の深層を浮き彫りにしています。

キャスト

ジョー・ジャクソン（外野手）：D・B・スウィーニー
エディ・シーコット（投手）：デビッド・ストラザーン
レフティ・ウィリアムズ（投手）：ジェリード
チック・ガンディル（一塁手）：マイケル・ルーカー
フレッド・マクマリン（内野手）：ペリー・ラング
スウィード・リスバーグ（遊撃手）：ドン・ハーヴェイ
ハッピー・フェルシュ（中堅手）：チャーリー・シーン
バック・ウィーバー（三塁手）：ジョン・キューザック
キッド・グリーソン（監督）：ジョン・マホーニー
レイ・シャーク（捕手）：ゴードン・クラップ
エディ・コリンズ（二塁手）：ビル・アーウィン
ディッキー・カー（投手）：ジェイス・アレクサンダー
チャールズ・コミスキー（シカゴ・ホワイトソックスオーナー）：クリフトン・ジェームズ
ケネソー・マウンテン・ランディス（MLBコミッショナー）：ジョン・アンダーソン
リング・ラードナー（ジャーナリスト）：ジョン・セイルズ
アーノルド・ロススタイン（マフィア）：マイケル・ラーナー
ビル・バーンズ（元野球選手）：クリストファー・ロイド
ビリー・マハーグ（元野球選手）：リチャード・エドソン
エイブ・アッテル（元プロボクサー）：マイケル・マンテル
レフティ・ウィリアムズの妻：ナンシー・トラビス
ジョー・ジャクソンの妻：ウェンディ・マッケナ

関連項目

フィールド・オブ・ドリームス - ブラックソックス事件に関わったジョー・ジャクソンが登場する作品。

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