レフティ・ウィリアムズ

レフティ・ウィリアムズ：悲運の左腕投手

レフティ・ウィリアムズ（本名：クラウド・プレストン・ウィリアムズ）は、1893年3月9日にミズーリ州オーロラで生まれ、1959年11月4日にカリフォルニア州ラグナビーチで亡くなったアメリカのプロ野球選手です。左投げ右打ちの投手として、1910年代から1920年代初頭にかけて活躍しましたが、そのキャリアは「ブラックソックス事件」によって不名誉な形で終わりを告げました。

デビューと台頭

1913年8月11日、デトロイト・タイガースに入団し、同年9月17日にメジャーリーグデビューを果たしました。1915年にはマイナーリーグのソルトレイク・ビーズでパシフィックコーストリーグ最多となる33勝を挙げ、その活躍が認められ、シカゴ・ホワイトソックスに入団しました。

1916年からはホワイトソックスの先発ローテーションに定着し、初の二桁勝利を達成。1917年にはワールドシリーズ第5戦に中継ぎとして登板し、チームのワールドチャンピオンに貢献しました。しかし、第一次世界大戦の影響で1918年には海軍の造船所で働きながらプレーすることになり、このことが後の契約交渉で不利に働くことになりました。

ブラックソックス事件

1919年、ウィリアムズは自己最高の成績となる23勝を挙げましたが、この年のワールドシリーズで「ブラックソックス事件」に巻き込まれます。彼は八百長に関与したとされ、報酬の一部を受け取ったものの、本来約束された金額には届きませんでした。第2戦、第5戦、第8戦で計3敗を喫し、特に第8戦では立ち上がりを攻め込まれ、早期降板となりました。この3敗は、1981年のジョージ・フレイザーと並び、ワールドシリーズにおける最多敗戦記録となります。

1920年、ライブボール時代に入り、防御率は上昇しましたが、2年連続で20勝を達成し、レッド・フェイバー、エディ・シーコット、ディッキー・カーと共に、史上初の20勝カルテットを形成しました。

しかし、1919年の[[ワールドシリーズ]]における八百長疑惑が発覚し、ウィリアムズも名前が挙がりました。イリノイ州クック郡の大陪審で自供したものの、後に撤回。1921年8月2日に裁判所は証拠不十分で無罪としましたが、翌日、ケネソー・ランディスコミッショナーはウィリアムズを含む8人を球界から永久追放とする処分を下しました。この事件は、彼を「アンラッキー・エイト」の一人として、その後の野球人生に大きな影を落とすことになりました。

その後と死

球界追放後、ウィリアムズはセミプロチームで数年間プレーし、引退後は保育園事業を営みました。亡くなるまで、八百長事件における自身の役割について沈黙を守り続けました。

1988年に公開された映画『エイトメン・アウト』では、ジェームズ・リードがウィリアムズ役を演じました。

プレースタイルと特徴

身長175cmと小柄ながら、制球力を活かし、低めに変化の大きいカーブを武器とした左腕投手でした。特にフライボールピッチャーとして、優れた外野守備力を誇るホワイトソックスとの相性が良かったとされています。

球種はスローボール（現在のチェンジアップのようなボール）とカーブを操りました。



詳細情報:

年度別投手成績は以下の通り。（省略）
「-」は記録なし。
太字はリーグ1位。
1915年は試合出場なし。


レフティ・ウィリアムズは、その才能と悲劇的な結末の両方で、野球史に名を残す選手です。彼の物語は、野球界における不正行為の影響と、選手たちの運命を深く考えさせられます。

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