エディ・シーコット

エディ・シーコット：悲運の天才投手

エディ・シーコット（Edward Victor Cicotte, 1884年6月19日 - 1969年5月5日）は、アメリカ・ミシガン州デトロイト出身のプロ[[野球選手]]です。右投げ両打ちの投手で、その独特な投球フォームから「ナックルズ」の愛称で親しまれました。

生い立ちとプロ入り

フランス系カナダ人の両親のもとに生まれたシーコットは、ジョージア州で野球を始め、後にタイ・カッブと共にデトロイト・タイガースに入団しました。1905年9月3日にメジャーデビューを果たすも、すぐに解雇されるという苦難を味わいます。

しかし、1908年にはボストン・レッドソックスと契約し、プロ[[野球選手]]としてのキャリアを再スタートさせました。その後、1912年にシカゴ・ホワイトソックスへトレードされ、彼の才能は開花することになります。

ホワイトソックスでの活躍

1913年、シーコットは18勝12敗、防御率1.58という素晴らしい成績を残し、アメリカンリーグ屈指の投手としての地位を確立しました。特に1917年は、4月14日のセントルイス・ブラウンズ戦でノーヒットノーランを達成したのをはじめ、防御率1.53、28勝12敗で最多勝と最優秀防御率の二冠に輝きました。

同年のワールドシリーズでは、3試合に登板し1勝を挙げ、2試合で完投するなど好投しましたが、チームはニューヨーク・ジャイアンツに勝利し、ワールドチャンピオンとなりました。

1919年には29勝7敗で再び最多勝のタイトルを獲得。しかし、当時のオーナーであるチャールズ・コミスキーは、シーコットが30勝を達成した場合に支払うボーナスを惜しみ、シーズン最終戦に登板させなかったという逸話が残っています。

ブラックソックス事件

1919年のワールドシリーズでは、八百長疑惑が持ち上がりました。シーコットは第1戦で3回を6失点、第4戦では自らのエラーも絡んで失点するなど精彩を欠きます。

しかし、チームが負けることを予期し、報酬額が支払われない可能性が出てきたことから、第7戦では完投勝利を挙げました。しかし、結果として、チームはシンシナティ・レッズに敗れました。シーコットは八百長に関与したとして、1万ドルの報酬を受け取っており、その一部を農場の買い戻しに使いました。

1920年、シーコットは20勝を達成しますが、八百長事件が発覚し、1919年のワールドシリーズでの関与が明らかになります。自白したものの、裁判では証拠不十分で無罪となりました。しかし、当時のコミッショナーであるケネソー・ランディスは、シーコットを含む8人を永久追放処分としたのです。

引退後の生活

プロ野球界から追放されたシーコットは、ミネソタ州とウィスコンシン州のセミプロチームでプレーした後、フォード・モーターズで働きました。その後は、自宅裏の農場でイチゴ栽培に励み、穏やかな生活を送ったとされています。晩年には、ファンからの手紙やサインを求める声に喜びを感じていたそうです。

1969年5月5日、デトロイトの病院で84歳で死去しました。

プレースタイルと特徴

シーコットは、スピットボールやシャインボール、エメリーボールなどの不正投球を得意としていました。特にナックルボールの開発者とも言われ、その投球割合は75％に達していたと推測されています。また、シンカーやスライダーも投げており、多彩な球種を操る技巧派投手でした。

詳細情報

主なタイトル:
最多勝利：2回 (1917年, 1919年)
最優秀防御率：1回 (1917年)

主な記録:
ノーヒットノーラン：1回 (1917年4月14日)

球種:
シャインボール
カーブ
* ナックルボール

まとめ

エディ・シーコットは、卓越した投球術と多彩な球種でファンを魅了した名投手です。しかし、八百長事件に関与したとして球界から永久追放処分を受けた悲劇の人物でもあります。彼の野球人生は、その才能とスキャンダルによって、野球史に深く刻まれています。

彼の物語は、映画『エイトメン・アウト』や『フィールド・オブ・ドリームス』でも描かれ、多くの人々に語り継がれています。

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