エイモス・ルーシー

エイモス・ルーシーの生涯と記録

エイモス・ルーシー（Amos Wilson Rusie）は、1871年にアメリカのインディアナ州ムーアズビルで生まれました。彼はプロ野球界で特に知られる投手として、その存在感を示しました。ルーシーは「インディアナの稲妻」としても知られ、その名にふさわしい速球を武器に数々の記録を打ち立てました。

プロ入り前の経歴

ルーシーはインディアナポリスで石工の息子として育ちました。野球への情熱は早くから芽生え、地元の工場の野球チームで外野手としてプレーしていました。しかし、その速球の才能に目をかけられ、1889年には17歳でインディアナポリスのプロチームに参加し、投手としてのキャリアがスタートしました。

インディアナポリス時代

彼の初年度である1889年、ルーシーは33試合に登板し、12勝10敗、防御率は5.32という成績を残しました。翌年にはニューヨーク・ジャイアンツに移籍し、ここから彼の名声は一気に高まりました。特に1890年には29勝34敗という成績を挙げ、奪三振数は当時のリーグ新記録となる341を記録しましたが、四球が289という、荒々しい投球スタイルも際立ちました。

成功と苦悩

ルーシーは1891年から1894年にかけて4年連続で30勝以上を挙げ、1894年にはリーグ最多勝利（36勝）、最多奪三振（195）、そして防御率2.78で投手三冠を達成します。彼の速球に加え、非常に効果的なブレーキの大きなカーブも相手打者にとって脅威でした。しかし、その投球スタイルから四球数もかなり多く、同時期のリーグ最多を記録しました。

ルーシーの投球は驚異的であり、ある試合では彼の投げた死球を受けたヒューイー・ジェニングスが昏睡状態になったというエピソードもあります。この話はルーシーの速球の威力を物語っています。

契約の苦悩と怪我

1896年、ルーシーはジャイアンツのオーナーとの契約問題が原因でシーズンを棒に振ります。年俸を巡る争いの末、ルーシーは最終的に3,000ドルで和解しましたが、このトラブルがシーズン出場に影響を与えました。続く1900年までジャイアンツには在籍しましたが、1898年には投球時の腕の故障や、ライナーが頭部に直撃して聴力が障害を受けるなど、怪我が彼のキャリアに影響を与えました。

引退と野球殿堂入り

ルーシーは1900年末にクリスティ・マシューソンとのトレードでレッズに移籍しましたが、レッズでは3試合の登板にとどまり、彼の選手生活は幕を閉じました。晩年は静かに過ごし、1942年にシアトルで亡くなりました。彼の遺産は、多くの記録と共に語り継がれ、1975年にはベテランズ委員会により野球殿堂入りが果たされました。

球種と成績

ルーシーの投手としての武器は、ハードカーブやスローボールなど多彩な球種を持っていました。彼の通算成績は486試合出場で、1730打数428安打、8本塁打、打率は.247という数字です。彼の偉業は、今なお記憶される偉大な投手としての名声と共に、野球界の一部として位置付けられています。

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