ヒューイー・ジェニングス

ヒュー・アンブロッセ・ジェニングス（Hugh Ambrose Jennings）は、1869年生まれ、1928年に没したアメリカ合衆国のプロ野球選手、監督です。ポジションは主に遊撃手で、右投げ右打ちでした。その情熱的なプレースタイルと個性的なキャラクターで、野球史に名を刻んでいます。

ジェニングスは1891年にルイビル・カーネルズでプロとしてのキャリアをスタートさせました。1894年からはボルチモア・オリオールズに所属し、ジョン・マグローやウィリー・キーラーといった名選手たちと共に、チームをナショナルリーグ3連覇に導きました。特に1896年には、209安打、打率.401という素晴らしい成績を残しています。

彼のプレースタイルは非常にアグレッシブで、それが記録にも表れています。1894年から1898年まで5年連続でリーグ最多死球数を記録し、1896年にはシーズン最多となる51死球というMLB記録を打ち立てました。また、遊撃手としてのシーズン最多刺殺数記録も保持しています。

1899年からはブルックリン・スパーバスに移籍し、ここでもチームはリーグ2連覇を達成しますが、ジェニングスはシーズン途中にコーネル大学に入学し、法律を学び始めます。選手としての活動は1903年までで、1907年からはデトロイト・タイガースの選手兼任監督に就任しました。タイ・カッブやサム・クロフォードといった名選手を擁し、3年連続でタイガースをリーグ優勝に導きました。

監督としてのジェニングスの采配は、非常にユニークでした。コーチボックスで踊りながら指示を出す姿は、多くのファンに愛され、独特の掛け声"Ee-Yah"は彼のトレードマークとなりました。選手兼任監督としてのシーズンは12年にも及びましたが、実際に試合に出場したのはわずか9試合でした。

タイガースを1920年まで指揮した後、1924年と1925年には、かつてのチームメイトであるジョン・マグローが率いるニューヨーク・ジャイアンツのコーチを務め、マグロー不在時には監督代行としてチームを指揮しました。

1928年、ジェニングスは結核から髄膜炎を患い、故郷ペンシルベニアで亡くなりました。その功績が認められ、1945年にベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂入りを果たしました。

獲得タイトル・記録
ナショナルリーグ優勝：5回(1894,1895,1896,1899,1900年)
シーズン最多死球数：51（1896年）
通算最多死球数：287（歴代1位）
シーズン刺殺数（遊撃手）：425 （歴代1位）

ヒュー・ジェニングスは、選手としても監督としても、その情熱と個性で野球界に大きな足跡を残した人物として、今も多くのファンに記憶されています。

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