エイリークルの言葉

『エイリークルの言葉』（古ノルド語: Eiríksmál）は、954年頃に作られたとされるスカルド詩です。ノルウェーの女王グンヒルドが、夫であるエイリーク血斧王の死を悼み、その武勇と栄光を讃えるために作らせたと伝えられています。現存しているのは詩の冒頭部分のみであり、全体像を把握することはできません。

この詩は、歴史的背景から一般的にはスカルド詩に分類されています。スカルド詩は、主に宮廷詩人が王侯貴族のために作った詩であり、高度な技巧と複雑な表現が特徴です。しかし、『エイリークルの言葉』は作者が不明であり、韻律に関しても宮廷律よりも古譚律が多く用いられているため、エッダ詩に分類されることもあります。エッダ詩は、作者不明の英雄叙事詩や神話詩であり、より口承的な性格が強いとされています。

『エイリークルの言葉』の内容は、ヴァルハラを舞台に展開されます。ヴァルハラは、北欧神話における戦死した英雄たちが住まう館であり、神々の主神オーディンが彼らを迎え入れ、永遠の宴を催すとされています。詩の中では、エイリーク血斧王がヴァルハラに迎え入れられる様子が描かれていると考えられています。勇敢な戦士として生きたエイリーク王は、死後もヴァルハラで英雄として迎え入れられ、その名誉は永遠に語り継がれることでしょう。

後代に作られた『ハーコンの言葉』は、『エイリークルの言葉』をモデルにしていると考えられています。『ハーコンの言葉』もまた、王の死を悼み、その功績を讃えるための詩であり、『エイリークルの言葉』の影響が見られます。

関連事項：
北欧神話
ヴァルハラ
スカルド詩
エッダ詩
ハーコンの言葉
エイリーク1世 (ノルウェー王)

外部リンク：
Eiríksmál in Old Norse from «Kulturformidlingen norrøne tekster og kvad» Norway.
Two editions of the original text

もう一度検索