エクストラ EA-300

エクストラ EA-300 概要

エクストラ EA-300、またの名をエクストラ300は、ドイツのエクストラ社が開発した曲技飛行機で、1988年に初めて登場しました。以来、曲技飛行機の代表的なモデルとしてその地位を確立し、2020年代に至る現在でも多くの飛行士によって愛用されています。設計は、曲技飛行士であるウォルター・エクストラによって1987年に開始されました。

特徴

EA-300は、軽量化に優れたカーボンファイバーと鋼管フレームで構成され、翼は対称翼のデザインを採用しています。搭載されているライカミング・エンジンズ製のエンジンはレシプロエンジンであり、MT-プロペラが使用されています。この機体の荷重制限は+/-10Gと設計されており、曲技飛行に特化した構造を持っています。さらに、航空法で必須とされる最小限の航空計器のみを搭載することで、さらなる軽量化が図られています。曲技飛行には欠かせないスモーク発生装置も標準装備されています。

使用例

民間分野においては、多くの曲技飛行士が世界選手権においてEA-300を用い、2009年に初めて優勝を果たした後、2013年から2017年まで連続優勝を達成しました。特に、レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ向けにデザインされたモデルも存在します。複座型のEA-300は、初等訓練や体験飛行にも使用され、広く親しまれています。

また、軍用としても評価され、ヨルダン空軍のロイヤル・ヨルダニアン・ファルコンズや、チリ空軍のアルコネスなどの曲技飛行隊に採用されています。

機種のバリエーション

エクストラ EA-300には、いくつかの派生型があります。元となる複座型EA-300をはじめ、単座型のEA-300Sは翼幅が縮小され、エルロンが大きくデザインされています。改良型のEA-330SXや、パフォーマンス仕様のEA-300SPも存在します。EA-300SRは、レッドブル・エアレース向けに設計されたモデルであり、2007年に初めて公開されました。その後、これらのモデルはさらに進化し、現在の主流となるEA-330SCも登場しています。

EA-300Lとその特徴

最も生産されているモデルの一つはEA-300Lです。これは、2人乗りバージョンであり、AEIO-540エンジンを搭載しています。この機体は訓練用航空機として使用され、改良された補助翼により、300Lモデルのロールレートは400度/秒に達します。すべてのEA-300Lは、連邦航空局および欧州連合航空局の基準に適合しているため、安心して運用されています。

諸元

EA-300Lの具体的な諸元は以下の通りです：

• - 乗員: 1名
• - 定員: 2名
• - 全長: 6.95 m
• - 翼幅: 7.39 m
• - 空虚重量: 682 kg
• - 最大離陸重量: 952 kg
• - 動力: ライカミング AEIO540-L1B5エンジン

運用事例

民間では、エアショーや競技会において多くのパイロットがEA-300を使用しています。たとえば、ベン・マーフィーが所属する航空チームは、EA-300LPモデルを使ってエアショーに参加しています。また、世界各国の軍隊でもエクストラ EA-300が運用され、曲技飛行隊がその性能を活かしています。

このように、エクストラ EA-300は多様な用途での運用が可能な曲技飛行機として、その信頼性と性能の高さで広く知られています。

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