エクス・ツールス

エクス・ツールス株式会社（旧イマジン）は、1990年4月13日に設立されたソフトウェア開発・販売会社です。福岡県福岡市中央区赤坂に本社を構え、国産3DCGソフトウェア『Shade』シリーズの開発・販売で、その名を知られました。創業者であり、設立当初の代表取締役社長は樺島正博氏です。

本社以外にも、東京都渋谷区と千代田区に東京オフィスを、さらにはアメリカ・カリフォルニア州ロスアルトスには関連会社Expression Tools U.S. Inc.を設立し、グローバルな展開を図っていました。同社は、ソフトウェアプログラムだけでなく、製品向けのコンテンツや教材の開発・販売も行っていました。

1999年には『Shade for Linux』をリリースし、Linux市場にも参入を果たしました。さらに2001年には中国語版『Shade』を投入し、台湾・香港市場への進出も果たしました。しかし、2002年4月15日には坂井一也氏が代表取締役社長に就任し、経営体制に変化が見られました。

その後、2003年1月20日に経営破綻により、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申し立てを行いました。同年4月16日には営業権をイーフロンティアに譲渡し、同年7月2日に再生計画が開始決定されました。この時、負債総額は約15億4845万円に達しました。現在は清算結了しており、会社としては存在していません。

主な製品

Shadeシリーズ：
レイトレーシングやスキャンライン方式のレンダリング機能、ベジェ曲線を用いた自由曲面モデリング機能を搭載した統合3DCGソフトウェアです。当初はMacintosh専用でしたが、1997年にWindows版もリリースされました。主な開発者は時枝敏也氏です。
マジカルスケッチ：
東京大学大学院情報理工学系研究科の五十嵐健夫氏が開発した三次元形状作成システム「Teddy」の技術を応用した3DCGモデリングソフトウェアです。フリーハンドでの描画による3D形状の作成、変形、ペイントが容易に行えます。
PhysiAnime（フィジアニメ）／PhysiPlayer（フィジプレイヤー）シリーズ：
3DCGキャラクターにボーンを埋め込み、重力、風、剛体力学などの物理法則シミュレーションや自律歩行を行う、リアルタイムアニメーションが可能なホビー向けソフトウェアです。PhysiAnimeで作成したデータは、フリーウェアであるPhysiPlayerで再生可能です。
三字元
VRCreator
Vertigo 3D Dizzy

関連項目

Shade (ソフトウェア))
システムソフト - 関連会社
イーフロンティア
灰羽連盟

出典

Shade online：Shadeの歴史
* HomePage of Takeo Igarashi



エクス・ツールス株式会社は、その短い活動期間にも関わらず、日本の3DCGソフトウェア開発において重要な役割を果たした企業として、記憶されるべきでしょう。特に『Shade』シリーズは、多くのクリエイターに利用され、業界に大きな影響を与えました。

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