エクトル・メンドーサ

エクトル・メンドーサ：キューバから世界へ羽ばたいた才能

エクトル・マヌエル・メンドーサ・リポイ。1994年3月5日生まれ、キューバ・フベントゥ島出身の野球選手である。投手として、類まれな才能と波乱に満ちたキャリアで知られる。

キューバ時代：輝かしい才能の開花

少年時代から頭角を現したメンドーサは、2009年のU-16世界野球選手権大会でキューバ代表として活躍。大会最優秀投手に輝き、その名を世界に知らしめた。その後、キューバ国内リーグであるセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボルでトロンヘロス・デ・イスラ・デ・ラ・フベントゥに所属。農業技術者養成の大学に通いながら、高い学業成績と並行して野球に打ち込んだ。これは、理工系のエリートが進むキューバの予備校を卒業した者と同等の学力を持つことを意味し、彼の並外れた能力を物語っている。

巨人時代とアメリカへの亡命

2014年、メンドーサは読売ジャイアンツに入団。日本のプロ野球界に足を踏み入れた。2015年にはパンアメリカン競技大会とWBSCプレミア12でキューバ代表に選出され、国際舞台で活躍を続ける。しかし、2016年秋に巨人で戦力外通告を受けると、キューバへの帰国途中に消息を絶つ。後に、MLB球団との契約を目指し亡命したと報道された。

MLB挑戦：挫折と再起

2017年、メンドーサはセントルイス・カージナルスとマイナー契約を結ぶ。念願のMLB挑戦が始まったが、度重なる故障に悩まされ、2019年には解雇された。

選手としての特徴

メンドーサの投球フォームはオーバースロー。キューバ時代には最速約157.7km/hを記録し、その威力は周囲を圧倒した。持ち球はカーブ、チェンジアップ、スライダーと多彩で、打者を翻弄する技術を持っていた。

栄光と挫折、そして未来へ

メンドーサのキャリアは、成功と挫折が交錯するドラマチックなものだった。幼少期からの輝かしい活躍、日本のプロ野球での経験、そしてMLBへの挑戦と亡命。彼の野球人生は、キューバという国、そして野球というスポーツの持つ魅力を凝縮したようなものだと言えるだろう。

今後、メンドーサがどのような道を歩むのかは不明だが、彼の才能と経験は、多くの野球ファンに深い印象を残すだろう。彼の物語は、才能と情熱を追い求めるすべての人々にとって、大きな勇気を与えるものとなるだろう。

詳細情報

年度別投手成績: キューバ国内リーグの成績は、プレーオフや選抜リーグなども合算されるため、NPB成績との単純比較はできない。
NPB初登板: 2015年6月2日、対オリックス・バファローズ戦
背番号: 94 (巨人時代)
登場曲: 「Control」Los Desiguales
代表歴: U-16キューバ代表、中央アメリカ・カリブ海競技大会キューバ代表、パンアメリカン競技大会キューバ代表、WBSCプレミア12キューバ代表


参考資料:

選手の通算成績と情報 MLB、Baseball-Reference (Register)
Cuban Baseball Career statistics（プレーオフや選抜リーグなども合算したキューバ国内リーグ通算成績）
個人年度別成績 メンドーサ - NPB.jp 日本野球機構
* Baseball - Athlete Profile　MENDOZA Hector Toronto2015 Pan Am/Parapan Am （英語）

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