エジプシャン・バザール

エジプシャン・バザール：イスタンブールの香り高い市場

エジプシャン・バザール（トルコ語: Mısır Çarşısı、英語: Egyptian Bazaar）は、トルコ・イスタンブールのエミノニュ地区に位置する、歴史ある賑やかな市場です。その名の通り、かつてはエジプトからの輸入品、特に香辛料の取引で栄え、「スパイス・バザール」とも呼ばれていました。

歴史

1597年から1603年にかけて、サフィエ・スルタンの命により、イェニモスクの一部として建設されました。当初は「イェニ・チャルシュ（新しいバザール）」と呼ばれていましたが、18世紀中頃になると、エジプトからの香辛料の輸入が増加したため、「ムスル・チャルシュ（エジプシャン・バザール）」という名で知られるようになりました。この名称は、エジプトからの輸入品に課税が行われる場所であったことに由来するという説もあります。

シルクロードを経由して、中国、インド、ペルシアなどからの商品も取引されるようになり、多様な商品が並ぶ市場として発展しました。特に香辛料を扱う店が多かったことから、「スパイス・バザール」という別名でも親しまれています。建設当初、約100店舗のうち49店舗が香辛料を扱っていたとされています。残りの店舗では、綿花やキルトなどが販売されていました。

構造

バザールの中心となるのはL字型のアーケードで、長辺は約140m、短辺は約110mです。長辺には片側23軒（両側46軒）、短辺には片側18軒（両側36軒）、交差部には6軒の店が並び、合計88軒の店が軒を連ねています。さらに、Tahmis Sokak側には18軒の店があります。これらの店が面する通りは、丸屋根のアーケードで覆われており、独特の雰囲気を醸し出しています。

アクセス

トラム T1線 エミノニュ（Eminönü）停留所から南西へ約100m
近郊鉄道 マルマライ シルケジ駅から西へ約400m
* トルコ国鉄 シルケジ駅から西へ約400m

周辺情報

エジプシャン・バザールの近くには、カパルチャルシュ（グランド・バザール）など、イスタンブールを代表する伝統的な市場があります。また、ドバイにはスパイス・スークと呼ばれる香辛料市場があり、エジプシャン・バザールと並んで有名です。

エジプシャン・バザールは、香辛料の豊かな香りに包まれ、活気あふれる市場です。イスタンブールを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。五感を刺激する、エキゾチックな体験が待っています。

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