エスキプラス

エスキプラス (Esquipulas)

エスキプラスは、グアテマラ共和国のチキムラ県に位置する基礎自治体（ムニシピオ）です。グアテマラ南東部に位置し、ホンジュラス、エルサルバドルと国境を接する地域にあります。

地理

エスキプラスという名前の由来は、ナワトル語でボウレリア属の木を意味する「イスキショチトル」（または「esquisúchil」）という説と、チョルティ族の首長の名前に由来するという説があります。自治体の面積は約532平方キロメートルで、平均標高は約600メートル。最も高い山は標高2500メートルに達します。県都チキムラとは、グアテマラとホンジュラスを結ぶ中央アメリカハイウェイCA-10で繋がっています。

隣接する国境:
東: ホンジュラスのコパン県、オコテペケ県
南: エルサルバドルのサンタ・アナ県メタパン

見どころ

エスキプラスで最も有名な建造物は、エスキプラスのバシリカ (Cathedral Basilica of Esquipulas) です。この聖堂は1759年に完成し、1596年に作られた「黒いキリスト像 (Black Christ of Esquipulas)」が奇跡を起こすとされ、多くの巡礼者が訪れます。特に、毎年1月15日の黒いキリストの祭りには、数万人の信徒が集まります。1970年にはグアテマラの国定記念物に指定され、1996年にはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世がバシリカを訪問し、この聖堂を「中央アメリカの精神的中心」と述べました。

歴史

スペイン人が到来する以前、現在のチキムラ県にはマヤ文明のチョルティ族が居住していました。しかし、1525年にペドロ・デ・アルバラード率いるコンキスタドールによって征服されました。その後、1560年から1570年の間に、現在のエスキプラスの町がスペイン人によって建設されました。

エスキプラスは、1980年代に中央アメリカの内戦を終結させるための中米和平協定 (Esquipulas Peace Agreement) の会議が開催された場所として、国際的に知られています。1986年5月には「エスキプラスI」と呼ばれる合意が成立し、中米5か国が和平を目指すことを約束しました。1987年8月には、実際の合意である「エスキプラスII」が成立しました。この合意は、アメリカ合衆国のロナルド・レーガン政権による干渉を乗り越えて和平協定が締結された点で特筆されます。中米和平協定締結の功績により、コスタリカ大統領のオスカル・アリアス・サンチェスは1987年にノーベル平和賞を受賞しました。

外部リンク

muniesquipulas.com (自治体の公式サイト)
esquipulas.com.gt (ニュースサイト)

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