エスペラント (アルバム)

アルバム『エスペラント』の概要

『エスペラント』は、坂本龍一が1985年10月5日にリリースした5作目のソロアルバムです。この作品は、前衛舞踏家モリサ・フェンレイからの依頼を受けて制作された企画アルバムであり、そのタイトルはルドヴィコ・ザメンホフによって考案された人工言語「エスペラント」に由来しています。坂本はこのアルバムを「架空の民族音楽」と表現しており、全体を通じて独自の音楽的コンセプトが展開されています。

音楽スタイルと制作

本作にはフェアライトCMIが導入され、サンプリング音源が多用されています。これにより、坂本はテクノ音楽の手法をエスニック音楽に融合させ、ポップな要素を排除した新しい音楽の構造を目指しました。楽曲の中には多くの間や静かな音が含まれており、ダンサーの衣擦れや床の音などが意識されています。著名なパーカッショニストのYAS-KAZも制作に参加しており、彼の影響も感じられます。

坂本は、「エスペラント」の制作を通じて得た満足感について、2004年にリリースされたアルバム『キャズム』のインタビューで「本当、大満足。『エスペラント』と同じくらい自分にとって大事なものが出来たという感じがしています」と述べています。これは、本作が彼にとって特別な位置づけであることを示しています。

収録曲

A Wongga Dance Song

金属音とパーカッションが交互に織りなすダイナミックな曲。中間部では多様な短い音楽モチーフが現れ、終盤には「アン・ドゥ・トロワ」のサンプリング音が痙攣するように響き、曲は次のセクションへと続きます。

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