エセル・ウォーカー

エセル・ウォーカー: イギリスの画家

エセル・ウォーカー（Dame Ethel Walker DBE ARA）は、1861年6月9日にイギリスで生まれ、1951年3月2日にロンドンで亡くなった著名な画家です。彼女の作品は人物画が中心で、特に当時の女性画家たちとの協同作業を通じて知られるようになりました。1943年には、その功績が認められ、イギリスの大英 Empire 勲章のデイム・コマンダーを受勲しました。

生い立ちと教育

ウォーカーはエディンバラで鋳造業を営む家庭に生まれました。成長過程でロンドンに移り住み、そこで初等教育を受けます。彼女は私立の美術学校で学び始め、特にRidley School of Artでの経験が彼女の画家としての道を大きく左右しました。1880年には、同じく画家を目指していたクララ・クリスチャンと出会い、共に学び、励まし合いながら画技を磨きました。

その後、Putney School of Art and Designでの教育も受け、さらにはマドリードに旅をして17世紀の画家ディエゴ・ベラスケスの作品を模写することによって、より深く技術を習得しました。ロンドンのウェストミンスター美術学校では、当時の有名な画家フレデリック・ブラウンから指導を受け、その後スレード美術学校にてさらに技術力を高めます。スレード美術学校では夜間クラスに参加し、ウォルター・シッカートとも出会い、同じく画家の道を歩む友人を得ました。

展覧会と認知

ウォーカーは1898年からロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの展覧会に出品を始め、1920年代を通じて女性画家としては最も頻繁に出展する一人となりました。同時期に、ローラ・ナイトやドッド・プロクターなどの仲間と共に活動し、1940年にはアカデミーの準会員に選ばれるに至ります。また、1899年にはニュー・イングリッシュ・アート・クラブの展覧会にも参加し、1900年にこの団体の最初の女性会員としても知られています。

さらに、ウォーカーは1920年代から1930年代にかけて四度、ヴェネツィア・ビエンナーレにイギリス代表として出展しました。これにより彼女の作品は国際的にも評価されるようになりました。1936年近くには、ポール・ナッシュが中心となって形成された「ロンドン・グループ」と呼ばれる前衛芸術家の団体に加わることで、さらにその活動の幅を広げました。

後期の活動や評価

1938年には、当時の王妃、故ジョージ6世の皇母エリザベスに作品を買い上げられるなど、彼女の芸術が高く評価される瞬間もありました。最晩年となる1951年には、ロンドンにてこの世を去ることになりますが、彼女の作品や活動はイギリスの美術史において重要な位置を占め続けています。ウォーカーは、その情熱と才能により、多くの後進の女性画家たちに影響を与えました。彼女の功績は、今なお美術界において光を放ち続けています。

もう一度検索