エゾリス

エゾリス（蝦夷栗鼠）について

エゾリス（学名：Sciurus vulgaris orientis）は、リス科に属する北海道特有の動物です。和名は黒田長禮によって名付けられたもので、一般的には「蝦夷栗鼠」と呼ばれています。以前は「木鼠」として知られていましたが、1940年代を境にこの名前は使われなくなりました。外見的には太い尾と特徴的な毛色を持つエゾリスは、北海道の森林や林で生活しています。

分布と生息環境

エゾリスは、北海道の平野部から亜高山帯にかけて広がる森林や林に生息しています。その生息地は、豊かな自然環境に恵まれた場所であり、彼らはこれを基盤として生活しています。

体の特徴

エゾリスの成体は体長が22から27センチメートル、尾の長さは16から20センチメートルになることがあります。体重は330グラムから470グラムです。毛色は、冬は茶灰色、夏は茶色で、胸部と腹部は白色をしています。また、冬毛のときには耳に長い毛が見られ、外観がユニークです。活動時には機敏に樹上を移動するため、尾が平衡を保つ役割を果たします。

生態と行動

エゾリスは昼行性であり、季節によって活動時間が異なります。春は朝早くから活動し、夏は日中ずっと、秋は昼間に活発です。冬眠はせず、寒い冬でも活動を続け、主に朝の時間帯に行動します。他の個体との活動範囲が重なることがあり、通常は単独行動ですが、交尾や子育ての時期は例外です。

彼らの巣は木の中に作られ、外側は小枝を使い内部は苔や枯れ草で柔らかく作られています。食性は雑食で、樹木の芽や種子、果実や虫を食べますが、冬に備えて食料を貯蔵する習性があります。根雪を掘り起こしながら貯蔵食品を探し出す能力も持っています。

繁殖と子育て

繁殖期は2月下旬から7月下旬で、出産は通常4月から8月に行われます。メスのみが子育てを担当し、子リスは約8週目から植物質の食物を食べ始め、約10週で離乳します。11-12週目には親離れをし、翌年には繁殖が可能になります。

鳴き声と行動様式

エゾリスは、何らかの理由で興奮した際に「シュシュ」「ジュージュー」「グウウー」といったさまざまな音を発します。このコミュニケーション方法により、仲間との関係を築いています。

その他の情報

エゾリスは1994年に狩猟獣の指定から除外されました。また、狭山丘陵では飼われていたエゾリスが逃げ出したり放流されたと考えられています。さらに、北海道日本ハムファイターズのマスコットキャラクター「ポリーポラリス」も彼らをモチーフにしています。

エゾリスは、豊かな自然環境に適応し、北海道の生態系の一部として重要な役割を果たしています。彼らの生活や習性を理解することで、その保護にもつながることでしょう。

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