エッジコート・ムーアの戦い

エッジコート・ムーアの戦い：薔薇戦争におけるウォリック伯の反乱

エッジコート・ムーアの戦いは、1469年7月26日にイングランドのオックスフォードシャー、バンベリーの北東で発生しました。この戦いは、薔薇戦争における重要な局面であり、ウォリック伯がエドワード4世に対して起こした反乱の主要な戦いの一つです。

戦いの背景

ウォリック伯は、かつてエドワード4世を王位に就けるために尽力したヨーク派の重鎮でした。しかし、1469年には両者の関係は決裂し、ウォリック伯は反旗を翻します。この背景には、いくつかの要因がありました。

外交方針の相違

ウォリック伯はフランスとの外交交渉を重視し、エドワード4世にフランス王女との結婚を勧めました。しかし、エドワード4世は密かにエリザベス・ウッドヴィルと結婚しており、このことがウォリック伯の不信感を招きました。エリザベス・ウッドヴィルの親族が次々と要職に就いたことも、ウォリック伯の不満を募らせる一因となりました。

ウォリック伯の影響力低下

ウォリック伯は、娘イザベル・ネヴィルをクラレンス公ジョージと結婚させようとしましたが、エドワード4世に拒否されました。ウォリック伯は国政への影響力を失いつつあり、その不満は頂点に達しました。ウォリック伯は、エドワード4世が私生児であるという噂を流し、クラレンス公を王位に就けようと画策します。

戦いの勃発

エドワード4世が北方の反乱鎮圧に向かった隙をついて、ウォリック伯は反乱を起こしました。ウォリック伯の部将である「レデスデールのロビン」ことウィリアム・コンヤーズ卿が新たな反乱を起こし、エドワード4世は少数の兵で鎮圧に向かいます。しかし、反乱軍の規模は予想以上に大きく、エドワード4世は兵力補充のために後退します。

ウォリック伯とクラレンス公は反乱軍への支援を表明し、軍を率いてロンドンを出発します。反乱軍は国王軍を迂回して南進し、エッジコート・ムーアでペンブルック伯とデヴォン伯の軍と遭遇します。両軍は7月26日に戦闘を開始しました。

戦闘の経過

戦闘は、デヴォン伯のウェールズ人弓兵による一方的な攻撃で始まりました。反乱軍は川を渡って攻撃し、ペンブルック伯を後退させます。ペンブルック伯は勇敢に防戦しましたが、デヴォン伯の到着を待つことになります。午後1時、ペンブルック伯はデヴォン伯が全軍を率いて到着するという知らせを受け取りますが、同時にウォリック伯の前衛部隊も戦場に到着します。

反乱軍の士気は高揚し、ペンブルク伯軍の兵士たちはウォリック伯軍の精鋭部隊に恐れをなし、国王軍は崩壊し、戦場から逃走しました。

戦いの結果

エッジコート・ムーアの戦いは、ウォリック伯率いる反乱軍の勝利に終わりました。この戦いの後、エドワード4世は捕らえられ、一時的に王位を失うことになります。しかし、ウォリック伯の支配も長くは続かず、最終的にはエドワード4世が王位を奪還し、ウォリック伯は失脚することになります。

エッジコート・ムーアの戦いは、薔薇戦争における権力闘争の激しさを象徴する戦いであり、イングランドの歴史に大きな影響を与えました。

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