エドゥアルド・ナープラヴニーク

エドゥアルド・フランツェヴィチ・ナープラヴニーク

エドゥアルド・フランツェヴィチ・ナープラヴニーク（Eduard Francevič Nápravník, 1839年8月24日 - 1916年11月23日）は、チェコ（ボヘミア地方ビーシチ出身）の指揮者・作曲家です。サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で長きにわたり首席指揮者を務め、ロシア音楽界に多大な貢献をしました。

生涯

14歳で孤児となったナープラヴニークは、教会のオルガン演奏で生計を立てながら音楽の才能を磨きました。1854年にプラハのオルガン学校に入学し、教師の支援を受けながら勉学に励みます。1861年、ロシアに招聘され、サンクトペテルブルクでユスポフ大公（有名なフェリックス・ユスポフ公とは別人）の私設オーケストラの指揮者となります。1864年からはロシア音楽協会の演奏会に指揮者として登場し、その才能を発揮しました。

1869年、ミリイ・バラキレフの後任としてロシア音楽協会の常任指揮者、そしてマリインスキー劇場の首席指揮者に就任。以後、長年にわたりその地位を務め、劇場におけるロシア・オペラの発展に大きく貢献しました。リムスキー＝コルサコフやキュイといったロシア人作曲家のオペラを数多く初演し、その普及に尽力したことは特筆に値します。

ロシア・オペラ界での活躍の傍ら、チャイコフスキーの弦楽セレナーデの公開初演（1881年）を指揮するなど、器楽曲の分野でも才能を発揮しました。作曲家としてもオペラや舞台音楽を数多く手掛けたほか、交響曲、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲など、幅広いジャンルの作品を残しています。1914年に健康を害し、惜しまれながらも活動を停止しました。チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」は、ナープラヴニークによる改訂稿が広く用いられています。

ナープラヴニークの死後、家族は1917年5月にロシアを離れ、ベルギーに落ち着きました。息子のヴラディーミルは、父の生涯を綴った伝記をロシア語で執筆しています。彼の出身地であるビーシチ村の学校は、現在ナープラヴニークの名を冠しています。

主な作品

器楽曲
祝賀行進曲（ロシアの主題とフリードリヒ大王の主題による）
ピアノと管弦楽のための《交響協奏曲》イ短調 Op.27
ピアノと管弦楽のための《ロシア幻想曲》ロ短調 Op.39
チェロとピアノのための組曲 Op.29

歌劇
Nizhegorodtzy (1867年)
Harold (1884年)
『ドゥブロフスキー』Dubrovsky (1895年)：間奏曲が有名
Francesca da Rimini (1902年)

関連文献

Направник В. Э., Эдуард Францевич Направник и его современники, Музыка, 1991 г. (ISBN 5714004124) [ヴラディミール・ナープラヴニーク『エドゥアルド・フランツェヴィチ・ナープラヴニークと彼の同時代人たち』、音楽社(ムズィカ)、 1991年]
Михеева Л. В., Э. Ф. Направник, М., 1985 г. [ミヘーエヴァ L. V.『エドゥアルド・フランツェヴィチ・ナープラヴニーク』モスクワ、1985年]

外部リンク

Short biography
エドゥアルド・ナープラヴニークの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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