エドモンド・バートン

サー・エドモンド・バートン: オーストラリアの初代首相

サー・エドモンド・バートン（1849年1月18日–1920年1月7日）は、オーストラリアの政治史において初代首相として知られる重要な人物です。彼は政治家、裁判官、そして王室顧問弁護士（QC）としての顔も持ち、特にオーストラリア連邦の創設に尽力したことで名を残しています。

生い立ちと初期のキャリア

バートンはシドニー市の郊外のグレーブで、株式仲買人ウィリアム・バートンとその妻メアリー・ルイーズの間に生まれました。彼はフォート・ストリート高校とシドニー・グラマースクールで学び、この時期に後の同僚であるリチャード・オコーナーと出会いました。その後、シドニー大学で古典を専攻し、首席の成績で卒業しました。

1871年に法廷弁護士として認可を受けた後、1877年に結婚したバートンは、政治に進む道を歩み始めます。1876年に彼は初めて政治の舞台に立ち、シドニー大学選挙区のニュー・サウス・ウェールズ州下院に候補者として立ちましたが、惜しくも敗北を喫しました。ただし、1891年には連邦運動に深く関与するようになり、その年のオーストラリア憲法制定会議でも重要な役割を果たしました。

政治家としての足跡

バートンは1882年から1887年にかけて数つの選挙区で下院議員を務め、1882年には立法議会の議長を務めました。彼が特に評価されたのは、自由貿易と保護貿易の議論において、国民の利益を優先させる姿勢でした。この過程で彼はオーストラリアの連邦化に対する支持を強化し、1890年代には連邦運動の中心的人物としての地位を確立しました。

1899年には、連邦に賛同するすべての州において選挙運動を展開し、1901年の連邦選挙において初代首相に選出されました。その後、彼は内閣を組織し、初の連邦議会選挙を成功裏に実施する役割を果たしました。

初代首相としての政策と実績

バートン首相は、移民制限法を策定し、白豪主義を促進する政策を進めました。この法律は、アジアからの移民を制限するものであり、彼の選挙活動のスローガンとも一致していました。更に、バートンは女性参政権も導入し、1902年の連邦議会選挙に向けた重要な改正を行いました。

彼はまた、エドワード7世の戴冠式に参加するためにイギリスを訪れ、新たな連邦とイギリスとの協定について交渉を行ったりもしましたが、彼の政治活動のスタイルは、しばしば党内の進歩的自由主義者たちと衝突する原因ともなりました。バートンは保守的な立場であっても、基盤をしっかりと築くことに成功しました。

裁判官としての活動

1903年に首相の座を辞し、オーストラリア高等裁判所の設立判事に就任したバートンは、法廷でも著名な存在となりました。彼は公正かつ誠実な判事として尊敬され、連邦政府の政策や法律にかかわる重要な判決を多く下しました。特に州の自治を保護し、連邦政府との関係を調整する役目を果たしました。

死去と家族

バートンは1920年にハイドロ・マジェスティック・ホテルで心不全により亡くなりました。彼は妻と6人の子どもを遺し、シドニー郊外のサウス・ヘッド・ジェネラル墓地に埋葬されました。また、彼は名誉勲章を受賞しており、1887年、1891年、1899年には騎士の爵位を辞退しましたが、1902年には聖マイケル・聖ジョージ勲章を受けています。

結論

サー・エドモンド・バートンは、オーストラリアの連邦の創設における重要な役割を果たし、初代首相として国を導きました。彼の政治的な影響力と裁判官としてのキャリアは、オーストラリアの歴史の中で忘れられない足跡を残しています。彼の業績は今なお、多くの人々に評価され続けています。

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