エドワード・オールドコーン

エドワード・オールドコーンの生涯と業績

エドワード・オールドコーン（1561年 - 1606年）は、イングランド出身のカトリック神父であり、イエズス会士として知られる人物です。彼は、信仰のために迫害を受けながらイングランド国内で布教活動を行い、最後には悲劇的な運命に見舞われた殉教者として記憶されています。オールドコーンの生涯には、信仰、勇気、そして迫害との闘いが色濃く反映されています。

出自と教育

エドワード・オールドコーンは、1561年にイングランドのヨークで生まれました。彼の父親はプロテスタントであり、母親はカトリックの信仰のために監獄に入れられるという過去を持ちました。このような家庭環境の影響を受けて、オールドコーンはカトリック信仰の道を選び、ヨークのセント・ピーターズ・スクールで学ぶことになります。この学友には後に火薬陰謀事件に関与することになるガイ・フォークスもいました。

オールドコーンは元々医者を志していましたが、やがて宗教の道に進むことを決意しました。彼はフランスのランスにあるイングリッシュ・カレッジで神学を学び、1587年には叙階され、翌年にはイエズス会士となりました。

イングランドでの活動

1588年、オールドコーンはイングランドに戻り、ヘンリー・ガーネット神父と共にカトリック信者が迫害される中で活動を開始しました。彼は主にウスターシャーを中心に布教し、イエズス会の他の神父たちと協力しながら難しい環境の中で信者たちを支えました。

火薬陰謀事件との関わり

1603年、エリザベス女王の死後、スコットランドのジェームズ6世がジェームズ1世として即位しました。多くのカトリック信者は、彼による寛容な政策を期待していましたが、実際には逆に厳しい政策が続けられ、信者たちは失望しました。この状況に反発した過激派のロバート・ケイツビーは、火薬を使って議会を爆破し、政府要人を暗殺するという陰謀を企てました。

1605年、オールドコーンは喉頭癌を患いながらも治癒を目指し、再び巡礼を行います。この時、彼は火薬陰謀の関与者とされるエバラード・ディグビー夫妻らと接触し、後に当局の疑惑を招くことになります。やがて火薬陰謀が発覚し、オールドコーンは逮捕されました。

裁判と処刑

オールドコーンはロンドン塔に拘束され、拷問を受けましたが、火薬陰謀との直接的な証拠は見つかりませんでした。彼の裁判は特に宗教的な情勢を反映し、最終的に彼は1606年4月7日に首吊りと内臓抉り、四つ裂きの刑にて処刑されました。この時、彼は聖ウィニフレッドの名を呼び、信仰を貫き通しました。

死後の評価

オールドコーンの殉教はカトリック教徒にとって大きな意味を持ち、1929年にはローマ・カトリック教会によって列福されました。彼の死後、彼にちなんだ学校や施設が作られるなど、その名は今も多くの人々に尊敬されています。彼の遺物も多くが残され、信仰のシンボルとして崇められています。火薬陰謀事件を背景とした彼の物語は、宗教的な迫害と信仰の重要性を今に伝える貴重な教訓となっています。

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