エドワード・スペンサー (第8代スペンサー伯爵)

第8代スペンサー伯爵エドワード・ジョン・スペンサー

第8代スペンサー伯爵エドワード・ジョン・スペンサー（1924年1月24日 - 1992年3月29日）は、イギリスの貴族であり、政治家としても活躍しました。ダイアナ元皇太子妃の父であり、ウィリアム皇太子、ヘンリー王子の祖父としても知られています。

生涯

1924年、第7代スペンサー伯爵アルバート・エドワード・ジョン・スペンサーの長男としてロンドンで生まれました。幼少期から王室との繋がりが深く、ジョージ5世の王妃メアリーと皇太子エドワード（後のエドワード8世）が代父母を務めました。イートン校からサンドハースト王立陸軍士官学校に進み、第二次世界大戦では竜騎兵第2連隊の大尉として従軍。戦後は南オーストラリア総督の補佐官を務めました。

1954年まで国王ジョージ6世とエリザベス2世に侍従として仕え、女王夫妻のオーストラリア訪問にも同行。同年、ロイヤル・ヴィクトリア勲章メンバー（MVO）を受勲しました。

結婚と家族

1954年、ファーモイ男爵家令嬢フランセス・バーク・ロッシュと結婚。ノーフォーク・サンドリンガムのパーク・ハウスで新婚生活を始めました。結婚を機に軍を退役し、王立農業大学で農場経営を学びました。フランセスとの間には5人の子供が生まれましたが、1969年に離婚。

1977年にはレイン・レッグと再婚しました。レインはロマンス作家バーバラ・カートランドの娘であり、以前はダートマス伯爵夫人でした。

スペンサー伯爵として

1975年、父の死によりスペンサー伯爵位を継承し、貴族院議員に列しました。スペンサー家の本邸であるオルソープ邸に移住。オルソープ邸はノーサンプトンシャーに広大な土地を所有するスペンサー家の象徴であり、多くの美術品が飾られた博物館のような邸宅でした。

ダイアナ妃の父として

1981年、娘ダイアナがチャールズ皇太子（当時）と結婚。スペンサー伯爵は、ダイアナがセントポール大聖堂へ向かう馬車に同乗し、バージンロードを共に歩みました。この日、彼はダイアナに「私は本当にお前のことを誇りに思うよ」と伝え、群衆に手を振るなど喜びをあらわにしました。

ダイアナがウィリアム王子を出産した際には、病院に駆けつけ、孫の誕生を喜びました。しかし、ダイアナの奔放な行動が批判されるようになると、マスコミに対し「ダイアナはいつも自分の思い通りにするのです」と語ることもありました。

その後

1985年、ロンドンの邸宅スペンサー・ハウスをロスチャイルド卿のRIT・キャピタル・パートナーズに賃貸。ロスチャイルド卿は巨額の費用を投じて内装を18世紀の状態に復元しました。

1978年に脳溢血で倒れて以来、健康状態は優れませんでしたが、1992年3月29日、心臓発作により死去。ダイアナ妃は父の死を深く悲しみ、葬儀では白百合とスイートピーの花を霊前に捧げました。爵位と家督は息子のチャールズが継承しました。

人柄と逸話

スペンサー伯爵は、地元民を喜ばせるためにガイ・フォークス逮捕記念日に花火ショーを行ったり、ダイアナの7歳の誕生日にダドリー動物園からラクダを借りて子供たちを乗せたりするなど、ユーモアと温かさに溢れる人物でした。

栄典

1975年：第8代スペンサー伯爵
1954年：ロイヤル・ヴィクトリア騎士団(勲章)メンバー（MVO）

家族

妻：フランセス・バーク・ロッシュ（1954年結婚、1969年離婚）、レイン・レッグ（1977年結婚）
子供：セーラ・スペンサー、ジェーン・スペンサー、ジョン・スペンサー、ダイアナ・スペンサー、チャールズ・スペンサー

エドワード・ジョン・スペンサーは、貴族としての責務を果たしつつ、家族を愛し、社会に貢献した人物でした。彼の人生は、多くの人々に感動と影響を与え続けています。

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